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0083/11/01 天気、宇宙だから関係ないんだけど。

 ・・・・昨日はひどかった。俺、とっても日記を書いている場合じゃなかったんだ。
 ええっと、なにから書こうかな。・・・昨日、午前中はいつも通り、モンシア中尉達との無重力訓練で俺の一日は始まった。モンシア中尉ったら、場所も暗礁宙域のど真ん中に入って来て、回りゴミだらけだっていうのに、なんか無茶やるしさ。俺は、モンシア機に捕まって、何度も何度も振り回された。あの人ったら俺のキャノンを捕まえたまま、ぐるぐる振り回したり腰打ち付けてみたり、とにかくひどいんだ!・・・なんで俺のキャノンがカマを掘られなきゃならねぇんだっつーの!・・・俺は男は好きじゃないです!
 ・・・ま、そのへんは、まだ良かったんだ。午後に入る頃、なんだろうな、敵の本拠地に近づいたって証拠なのかな、ともかく向こうのザンジバル級を主とした艦隊が一つ攻めて来たんだ。全部で何艦いただろう。それで、有無をいわさず戦闘になった。
 それが、ひどかったんだ。俺は、はっきり言って、宇宙に出てから始めてのマトモな戦闘だったんで焦っていた。焦りまくっていた。かなり怯えてただろうと思う。それだけじゃなくて、コウのやつがさ・・・コウのやつが、バカだから、無理なのにガンダムで出撃しやがったんだ。まだ、宇宙用の装備になってないっていうのにさ。後でモーラに聞いて分かったんだけど、自分でシュミレートしただけのプログラムでガンダムを動かしたらしい。・・・宇宙用になってないガンダムって、ジムより弱いんだぜ?そんなもので出撃しやがったんだ。
 ともかく、それで、コウはずたぼろにその敵にやられちまった。・・・生きてたのが不思議なくらいだ。バニング大尉なんか、あんまりにコウがやられるのでまだギプスしたままだった足を自分で割って、無理矢理ノーマルスーツ着て、コウを助けに飛び出したんだ。・・・ちょっと遅かったけど。
 そんなわけで、コウはガンダムをめちゃめちゃに壊して、でもなんとか、命だけは助かって、それで帰って来た。・・・良かったよ。本当に、コウが生きてて良かったよ、俺は、アルビオンに帰ってくるまでそれをよく知らなかったので、聞いてから血の気が引いた。もちろん、最初にコウのところに見舞いに行った。医務室で、寝てたからさ。
 そうしたら、ニナさんがひどい状況なんだ。コウは寝てるんだけどさ。ニナさんが、なんだかめちゃめちゃ取り乱しちゃってて、ぜんぜんそのコウから離れようとしないんだ。・・・俺もコウ好きだけどさ。
 でも、ここはニナさんに譲ってやろうと思って、だからそのまま医務室は出た。一日経って、コウも目が覚めてもう医務室からは出て来てるけど、自分がガンダムをぼろぼろにしたっていうんで、なんだかめちゃめちゃ暗い。
 ・・・・・あー。
 今、アルビオンは月に向かっている。月のアナハイムの工場で、ガンダムを宇宙用に換装する為だ。・・・コウは沈むと、後が長いんだ。・・・参ったなあ。
 先にかいた事と矛盾するけど、俺は男は好きじゃ無いけど、コウはとにかく好きなので、早く元気出して欲しい。ううん、だから、男でもコウだけはめちゃくちゃほんと好き、ってそう言う話。そんな事を、俺はコウ本人に話せないのでモーラに話した。いつの間にやら、モーラは俺の一番の相談相手だ。
 早く月に着いてガンダム直るといいんだけど。・・・元気出せよ、コウ。

0083/10/31 俺の心的には、どしゃぶり。


 (この日、キースは日記を書けませんでした。)

0083/10/30 天気・・・もう、書くのやめようかな。

 今日は、久々に食事をコウと一緒に食べられた!・・・・それだけでも嬉しかったんだが、それだけじゃ無い。なんと!あの、ブリッジに咲く一輪の花、シモンさんとも遂に一緒に食事が出来たんだ!わーい!今日の俺、ラッキー!!!
 ジャクリーヌ・シモン軍曹は、スコットといっしょの艦橋オペレーターの1人だ。もう、この人もまた大きな人なんだが、めちゃくちゃスタイルがいい!軍人なんかやめて、モデルにでもなったら?っていうくらいだ。同じ大きな女の人でもモーラとは全然違うもんな・・・・・と言ったらモーラに殴られた。・・・くっそお。モーラは凶暴だ!
 さてはて、シモン軍曹はころころ良く笑う面白い人だった。でも、その口のせいで年中シナプス艦長には怒られているらしい。昨日、シナプス艦長がモンシア中尉に告白されていた話をしたら大笑いしていた。それで、「あーー、そのこときっと艦長に言ってしまうわね、それでまた怒られるー!」だってさ!うーん、カワイイなっ!
 ところで、毎日俺は女の人と仲良くなって幸せな気分に浸っているだけではなく、相変わらず無重力訓練とかもうけている。しかももれなく腕立て伏せ付き。しかし、今日はブリーフィングでイイ話を聞いた。ええと、来るらしいって話題になっていた援軍。暗礁宙域探索の艦隊を組む為の。それが、明日到着して、アルビオンもやっとこさペガサス級らしくなるらしい。・・・・ユイリンとナッシュビルっていうサラミス級二艦だそうだ。
 食事の間中、コウときたらやっぱりニナさんとガンダムの話ばかりしていた。・・・・コウ。お前のその女の人に対する行動は間違っている。ニナさんじゃなかったら、間違い無く机ひっくり返されてるぞ・・・あれ、ってことは、コウとニナさんは実はお似合いか・・・???
 明日はそろそろ暗礁宙域の入り口だ。・・・あー。コウのやつ、机の上で計算してるより、バニング大尉のジムで訓練した方が良かったんじゃないのかなー・・・。

0083/10/29 天気、宇宙だからさ・・・・。

 相変わらず、コウは今日もニナと仲良しで、ガンダムのことばっかり話していて、俺の相手をしてくれなかった。・・・・俺は、訓練以外は隙なのでまたモーラのところに遊びに行った。・・・コウとニナは、だから一体なんなんだ???年中一緒にいるけど、ガンダムの話しかしないって、あれは、恋愛と言えるのか?それともなんだか別のモノか?・・・ま、俺には関係ないけどさ!あー、でもコウのやつ、目の前の超美人は、全く見えて無いんだろうなあ・・・聞けば、ガンダムの事を答えてくれる便利なモノくらいにしかニナさんのこと考えて無いんだろう・・・・ああっ、ニナさん可哀想。っていうか、勿体無い。今からでも遅く無いです、俺に乗り換えませんか。
 それはともかく、今日はちょっと面白かった。モンシア中尉がだ。あー、人の失敗で気分が良くなるなんて、俺ったら心が狭いー! 
 今日、モンシア中尉がやった失敗と言うのはこういうのだ。ええと、モンシア中尉はニナさんがコウと仲良くなってしまった為、ありったけの艦内の女性に声をかける事に決めたらしかった・・・・それで、休息時間に何をやったかって言うと、アルビオンの通路の一本の曲り角に立って、ひたすらやってくる女の人に声をかけ続けたんだ・・・・。でさ!
 何があったかというと、モンシア中尉ときたら!よりによって、たまたま歩いて来たシナプス艦長にまで間違えて声をかけちゃったんだ!!・・・・あーもう、俺はたまたまちかくのブリーフィングルームで昼寝してたので(休息時間が一緒だったからだ。)それを目撃したんだけど、もう、笑えたのなんの!シナプス艦長は、明るく声をかけてきたモンシア中尉にこう言った。「・・・・残念だがモンシア君、私には妻も子供もいる。」・・・笑いもせずにそう言ったんだ、うーん、シナプス艦長かっこいい!なんて気の聞いた返事なんだ!
 それから、モンシア中尉は後ろから歩いて来たバニング大尉にしこたま松葉杖で殴られていた。わっはっは、ざまーみろ。いつも俺に腕立て伏せさせるからだ!
 ・・・・こんな事書いてスッキリする自分の心の貧しさに寂しくなってきたから、もう寝よう・・・。おやすみなさいー。

0083/10/28 天気、宇宙だから関係ないってばー。


 今日も、一日モンシア中尉達にしごかれる日だった。うーん。無重力戦闘に慣れなきゃならないのは分かるけど、なにしろこのベテランパイロットの皆様は、あまり人にモノを教えるのに向いていない感じの人ばかりで、教え方がめちゃくちゃだ!あー、早くバニング大尉がギプスとれて元気にならないかなあ。ま、大尉も俺に腕立て伏せさせるのが趣味だから、似たようなもんか・・・。
 ちょっと不安な事と言えば、なんだかアルビオンの援軍が、まだ到着しない事だ。・・・どうするんだ、このままじゃ、一隻でガトーを探して暗礁宙域を目指してさまようことになっちまうぞ????
 ともかく、今日もコウはニナさんと仲良くモビルスーツの話ばかりしている。・・・もう、いいよ!最近、コウはめちゃくちゃ 付き合いが悪くなった。一緒に風呂とかはいってくれなくなったし。・・・だあー、俺、俺、なんだあこれじゃ、本当にコウの事ばっか好きみたいじゃないか!!!
 そんなことはないんだ。その代わりといっては何だが、俺は最近モーラと仲がいい。モーラっていったらモーラだ。あの、でっかい整備班の班長のモーラ。モーラ・バシット中尉。ありゃ、良く考えたらモーラは上官だ・・・。
 それで、結局隙な俺がモーラとどんな話をしているのかって言うと、まあ、驚いた事に「普通の話」だ。ええっと。俺が今日はどんだけモンシア中尉達にしごかれたとか。コウとニナさんは、だからあれは一体何?とか。コウときたらまったく女の人にこれまで興味が無かったんだ、なんて話をすると、モーラは面白そうにその話を聞いている。で、最後に必ずこう言うんだ・・・「あんたの親友には、ウラキ少尉は勿体無いね!」・・・そりゃどう言う意味だー!?
ともかく、なんとなくモーラと話をしているのは楽しい。え?いやでも、俺があの大きな人と恋に落ちる事は無いと思うなあ・・・。

0083/10/27 天気、宇宙だから関係ないでーす。


 俺は今日、凄い事に気付いてしまった・・・・!!
 何が凄い事かって言うと、コウだ!コウと、ニナさん!!あーもう、びっくりした!
 今、アルビオンはガトーを追っかけて宇宙を暗礁宙域に向かっているから、まあ敵が戻って来てくれない限り戦闘にはならなくて、それで俺は宇宙戦闘とかやったことないから、だから訓練でベイト中尉やモンシア中尉やアデル少尉の下でシゴかれてて大変なんだけどさあ!(バニング大尉はまだ松葉づえをついているから、俺に操縦を教えているどころではないのだった。)
 そんな!俺が、非常に苦労している間!!その間だ!!・・・・コウと来たら、ガンダムを整備するくらいしかやる事が無いからって、なんだかむちゃくちゃニナさんと仲良くなってるー!!??
 ・・・・ふざけるな。ええい。最初にニナさんに声かけたのは俺なのにー!!!・・・とかいっても、ま、あのコウのことだ、全然恋愛にもなってないけどね。ハッ(ちょっとやさぐれ)。これは、キンバライトで最後の最後に、アルビオンをコウが救ったのが効いたらしい。かー。俺だってガンダムに乗ってたらあれくらいやったとも!!
 ・・・と、思ったけど、多分出来ない。何でこんなに弱気かって言うと、もう、あんまりに宇宙の訓練でモンシア中尉達についていけなくって、ほんと、疲れ果てているからだ。っていうか、モンシア中尉とか、コウいじめるとニナさんに嫌われるからって、代わりに俺の事いじめ過ぎだよ、まったく!!あー、そう考えたら、なんだかニナさんは元からコウ贔屓かあ・・・なんでだ!!??なんで俺よりコウの方がもてる!?俺だってかっこいいと思いまーす。ま、俺もコウのこと好きだけどさ・・・・。
 あ、いくらもてないからって、これ以上モンシア中尉たちにモテモテでかまわれるのは勘弁です。だあー、地球からは、一応編成を組んで暗礁中域を探索する為に、援軍とかが来るらしいけど・・・早く、それでも来ないかなあ・・・・。そうして、俺をこの無重力訓練から解放してくれー!モンシア中尉達からもー!!!

0083/10/26 天気、だから書けないよ!だって宇宙なんだ!

 今日も引き続き宇宙。どうやら、数日前に地球を脱出したガトーは自分の艦と合流する際に派手にサラミスを二隻沈めて、暗礁宙域に向かったらしい。あー。相変わらず追い掛けてばっか。
 で、今日から本格的に無重力下でのMS戦闘訓練が始まった・・・もう、なんていうかめっちゃ大変!目が6個と、足8本、手も12本くらい欲しいよー、そうしたら、きっとなんとかなる・・でもバケモノだな、気持ち悪い・・・。というわけでつまり、全然ついていけないって事だ、宇宙には、ゴミとか多いし。360度周りを見なきゃならないし。でも、目は二個しかないし、って感じ。
 ともかくヘトヘトになって、ふらふらしながら帰って来ると、コウが呑気に「食堂に行こう!」と待っていた。ええっと、ガンダムは、昨日も書いたけど宇宙用の装備じゃ無いから全然訓練出来ないんだ。コウはちょっと悔しそうだけど、でも、ガンダム自体はいじれて楽しそうだ。コウは一時よりだいぶ元気がでて、良かった。それに、俺だけだとダメだったんだけど、コウも一緒だと格納庫とかその他の場所とか、随分フリーパスになる・・・何故だ?何故か、コウはみんなに人気がある・・・。
 食堂に行ったら、スコットがいた。それから、ブリッジのハリダ中尉も。ええっと、アルビオンのブリッジには航法担当士官が二人いるから、パサロフ大尉が運転してる時は、ハリダ中尉は休息だったりするんだ。運転て、それじゃアルビオンがエレカかなんかみたいだな。ともかく、ハリダ中尉と初めてちゃんと話をしたけど、面白かった。うーん、実はスコットともう1人のオペレーターの、シモンさんと話がしてみたいんだけどね。・・・こんの人が、また美人でスタイルいいんだ!
 コウときたら、ハリダ中尉とまでモビルスーツの話をしていた。あー・・・お前の頭の中には他の事はないのか!!??でも、みんなには人気あるんだよなあ・・・・。
 とにかく今日は、疲れたからもう寝る。おやすみなさいー。

0083/10/25 天気、今日から書けないよ!だって宇宙なんだ!


 何と俺は・・・今、宇宙にいる!!ああ、ついに来ちまった!!!
 昨日、ガトーを追い掛けて行く命令が出された事は書いたが、補給艦が到着して、捕虜を引き渡したら驚いた事に即刻宇宙に出発だったんだ!うーん、さすがペガサス級。ペガサス級の代名詞みたいになっている、一年戦争の時のホワイトベースって船も割と無茶をやる船だったらしいが、この船もめちゃくちゃだ!つまり、ペガサス級と言うのは、ぶっ壊れていてもなんでも、修理しながら敵を追い掛けなければならない船の事らしい!!
 それで、宇宙に出て来てみたはいいんだけど、ほら!俺は実は、宇宙には来た事が無かったんだ!だから、無重力が本当に大変!最初は筋肉痛も忘れて(いや、なんで筋肉痛かっていうと、それは一昨日、モンシア中尉の判断ミスで敵の待ち伏せを食らうと言うポカをやったからで、もう、バニング大尉はめちゃめちゃ怒ったんだ・・・それで、腕立て伏せしまくったのな。)喜んで飛び回って見てたんだけど、うーん、天井に頭をぶつけてばかりいるのはちょっと辛い事だと分かって、それからは大人しくしている事にした。そういえば、無重力のおかげで面白い事が一個あった。格納庫に行った時なんだけどさ。
 格納庫に行って、モーラに用があったんで飛んで行ったら、なんとモーラを『見下ろす』事ができたんだ!これって、実は重力下じゃ絶対無理なんだ、なんでって・・・そりゃモーラがめちゃくちゃ大きいからさ!それで、たまたまモーラの上をそのまま飛んで行ってしまいそうになって、モーラが捕まえてくれた時俺は言った、「俺、モーラより今大きいぜ!」って!そうしたら、モーラと、それから近くに居た整備兵のみんな全員と、ニナさんまで大笑いしたんだ。・・・何でだ?モーラは、しばらくぽかんとした顔をしていたが、やがて悔しそうに「だからなんだい!」っていった。・・・わっはっは!そうかー、背が高いって実は気分のいい事だったんだなー。
 後は、ええとコウのやつは、ガンダムが宇宙用の装備じゃ無いからって全然訓練に参加してないけど、俺だけ訓練しなきゃならなかったりして、ちょっと不満に思ったりもしてる。それで、アルビオンはともかく随分遅れてガトーを探して宇宙まで来た。
 うーん、これからどうなるんだろうなあ・・・・。

0083/10/24 天気、晴れ


 今日は・・・案の定、俺達に『ガトーを宇宙まで追い掛けて行け』っていう命令が出された。いや、ほんとはさ。こんなマヌケな命令内容じゃ無かったんだけど、試作二号機を追って要は宇宙に行けってことだったんだけど、まあ、ブリッジにジャブローから届いた命令の内容までは俺も細かくは知らない。
 ともかく、連邦軍の助っ人が来て(恐ろしい事にミデア輸送機であった・・・・!せめて、サラミス級くらい来てくれよ。)それで、昨日捕虜にしたキンバライト基地の人を引き取っていって、それで、俺達は宇宙に行く事が決定。
 実は、ちょっとびっくりしたことがあった。あんまりおどろいたんで、コウにも言って無い。
 その、キンバライトの捕虜の人なんだけど、1人の人が、アルビオンを出て行く直前にぼーっと見ていた俺のところにちょこっと走って来たんだ。・・・そりゃあ驚いた、俺は。思わず逃げようかと思ったくらいだ。なんか、殺されるような気がしてさ。
 そうしたら、その人が手紙を、一通の手紙を俺に渡して言うんだ、『これを届けてくれ』って。いつになってもいいから、って。
 ・・・・何だかその人、潜伏している間ずっと食料調達の係りで、ええっと、近くの町に良く行ってるうちに、なんだか、その町に恋人ができたらしいのな。・・・・それでさ。そんな話を聞いたら、俺、しんみりしちゃってさ。
 いつになってもいいから、って言われたから、これから自分は宇宙に行っちゃうから、もしこの作戦が終って、地球にもう一回戻ってくる事ができたら、俺はその手紙を届けに行こうと思った。・・・っていうか、送ってもいいじゃん。なあ?
 ・・・・・あー、俺、宇宙に行くんだなあ!・・・・戻って来れるかなあ。
 ちなみに、コウは昨日から空ばかり見つめている。・・・おーい。空を見上げても、ガトーは戻って来ないと思いまーす。だから、宇宙に行くんじゃ無いか、なあ?
 とにかく、手紙の事はコウには秘密。あー、俺も彼女が欲しいとつくづく思う今日この頃・・・・。

0083/10/23 天気、晴れ

 ・・・・・今日はちょっと大変だった。いや。軍人が、戦争やる事を大変がってる場合じゃ無いのは分かってるんだけどさ。・・・ええっと。ともかく、コウをひきずってアルビオン探索どころじゃなかった!おやつもおあずけ!
 この日記は、夕方書いている・・・なんと俺は、今日出撃してしまった!!
 いや、まず、何がどうなったかっていうと、そう、遂にガトーの足掛かりがつかめたんだ。午前中。それまでは、いつも通り目の下に広がる風景を、双眼鏡で眺めているだけの日だった。昨日書いたけど、コウはコアファイターで哨戒するって任務があるから、割と隙じゃなかったと思うんだけど、俺はあいかわらずアルビオンに居残って、外を眺めてるだけだった。しかし、今日はその任務が終って戻って来たコウが、格納庫にちゃんと着艦できなくて、午前中に小さな事故を起こしたりとか、まあ、いろいろ慌ただしくはあったんだ。・・・・ちなみに、この事故はモンシア中尉がわざとガイドビーコンの電源をショートさせたからだって分かって、あとでニナさんもモーラさんもバニング大尉も怒りまくって大変だった。
 ともかく、そんなことをしている間に、凄い事が分かったんだ。あの、アナハイム社から来ている、ニナさん以外にもう1人、オービルっていうナス顔の人がいたんだけど、その人が!その人がさ、なんとジオンのスパイだったって分かったんだ!!!・・・・それで、その人をわざと追い出す作戦をシナプス艦長が指示した。それで、その作戦は成功した。オービルって人は、予備のコアファイターで逃げ出してさ。それで、ジオン残党軍のアジト・・・つまり、これまでの一週間ガトーが向かっていたところがだ、そこがどこだかやっと分かった。それで、初めてアルビオンのモビルスーツ隊も出撃することになったんだ。
 ・・・・ところがだ!バニング大尉ときたら、何考えてんだか、俺とコウとモンシア中尉の下に付けて、小隊を編成しちゃったんだ!おかげで、初めての出撃だってのにモンシア中尉がむちゃくちゃばっか言って、もう大変!俺は、この人につい行ったら死ぬ、と本気で一瞬思った。・・・・俺より大変だったのはコウだ。モンシア中尉と来たら、コウにむかって、お前の機体はガンダムで頑丈だから、お前がなんとかしろ!とか追い詰められた時に叫んだんだ。
 もちろん、コウは何とかしてみせた。・・・・思わず、俺は嬉しくってそのあと笑っちゃったなあ。だって、コウったら本当にかっこよかったんだ!モンシア中尉も驚いてた。
 ・・・・とか、そういうこと書いてると、またホモか、てめーは!とかモンシア中尉に言われるからこれくらいにしておこう。いや、こんな日記、誰にも読ませないけどさ。
 それで、とっても頑張って俺達はそのジオン残党軍の基地から、ガトーが宇宙に逃げ出すのを阻止しようと思ったんだけど、ダメだった・・・・ガトーは、空に飛んでいってしまった。ああ。ちなみに、そのジオン残党軍の基地って言うのはキンバライトっていうダイヤモンドの鉱山後だったんだ。
 それで、俺達はその基地の占領だけを最後にした・・・・なんだろうな。ジオンの人とか。つまり、スペースノイドの人とか、俺は初めてあんなに沢山見たけど、自分とあんまり変わらない気がしたな。でも、その人達がなんだか敵なわけだ。・・・・これはちょっと困った。同じ人間だもんな。
 ともかく、俺は戻って来て、この先の予定は未定で、休息時間になったからこの日記を書いている・・・腹が減った。多分、お腹はスペースノイドも減るんだろうな。
 他の船がまだ追い付かないので、そのジオンの基地で降伏した人たちは、みんなこの船に今乗っている。明日には、他の連邦軍の船が来て、引き渡すって言う話だ。・・・・いいや、考えてると頭が痛くなる、飯を食いに行こう、コウさそって。
 宇宙・・・宇宙にガトー逃げちゃったけど、宇宙まで追い掛けて行く事になるのかな、ガトー。




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