0083/11/13 天気、宇宙。

 ・・・・・コウは、帰って来た。
 コウは、帰って来た、とにかく。俺はそれで嬉しい、だから、もう、いろいろいいんだ。もう俺は、二度と日記なんかつけない。日記なんかつけていたからか、この一ヶ月碌な事が無かった。
 今日、日付けが変わったばかりの時に、コロニーは地球に落着した。・・・・止められなかった。
 俺は今、かなりボロボロのアルビオンの中でこの日記を書いている。一昨日、ラビアンローズを出てからの事は、実を言うとあまり覚えていない。・・・ベイト大尉達に言わせると、それは『一年戦争のソロモン戦とア・バオア・クー戦をいっぺんに一日でやっちまったくらい』ひどい戦いだったそうだ。・・・ともかく覚えて無い。人って、あんまり大忙しだと記憶が無くなるんだ。とにかく今は、生きてるだけで嬉しい。俺も、コウも、それから俺が昨日血迷ってプロポーズしちまったらしいモーラも、とにかくみんなみんな。
 ・・・・これから俺達がどうなるかなんて知らない。今は考えたくもない。アルビオンだって本当にぼろぼろだ。・・・本当に。しばらく、修理で動けやしないだろう。地球までだって戻れるかどうか。
 ・・・・地球。帰りたいなあ、地球に。こんなに目の前に見えるのに、生まれてから19年もそこに住んでいたのに、もう何十年も戻って無い気がする。・・・コロニーは落ちてしまった。・・・それはダメだった。もうどうしようも無かった。それでも、どうなった地球でも。どうかなっちゃった地球でもさ。
 俺、帰りたいんだ。・・・・コウとモーラと、それからみんなみんなと一緒に。

 ・・・とにかく俺は、もう2度と日記は書かない。・・・それだけは確実だ。

0083/11/12 天気、宇宙。


 (この日も、キースはとにかく日記どころじゃありませんでした。)

0083/11/11 天気、宇宙。

 えー、俺は今、アルビオンでふて腐れている。・・・何故かと言うと、ラビアンローズに上陸許可が出なかったからだ・・・まず、昨日の事から書いておこう、昨日は日記を書くどころじゃ無かった。
 昨日、コンペイトウを警護していた俺達の前についに・・・ガトーが現れた。現れた、なんてもんじゃない。実を言うと、どこから来るかも分からなくて、俺達と来たら最後まで後手後手に回ってしまったんだ。
 ・・・ともかく、観艦式真っ最中のコンペイ島の直上に、ガトーのガンダム試作二号機は現れた。俺とコウは、それを止めようとベイト大尉に言われてそのフィールドに急いだんだけど・・・間に合わず。
 それで、結局核は発射されてしまった・・・その後のコンペイ島の惨状なんか、書く気にもならない。ともかく、その後でコウのガンダム試作一号機はガトーの二号機とそれでも戦って・・・それで、相打ちになった。
 それで終わりかと思ったんだけど、どうやらガンダムはもう一個あるらしい。・・・アナハイムの実験船、ラビアンローズで調整されていた3号機が。で、それを受け取りにアルビオンは急いだ・・・なにしろ、コロニーが一基奪取されたとかで、雲行きは全然良くなって無かったから。どうやらデラーズ・フリートの本当の狙いは、観艦式じゃなかったらしい。
 で、ラビアンローズにはさっきついた。・・・けど、なんだかめちゃくちゃむかつくナカト少佐とかいうやつがいて、ニナさんと艦長とコウしか、ラビアンローズには上陸しちゃだめだって!
 ・・・・・ああああ。こんなんで、本当にガトーは、奪われたコロニーとかはなんとか出来るのか!?俺も、大概地球連邦軍が信じられなくなってきた。もう、こうなったら、3号機を無理矢理奪ってでもガトーを止めに急いだ方がいいんじゃ!?
 あ、俺とした事が不振な発言を・・・・。おや、なんだかモンシア中尉が部屋の外でわめいている。艦長から緊急通信?・・・ラビアンローズに殴り込む?
 ・・・・そうこなくっちゃ!ああ、もう、なんでもいいから早く終ってくれ、この戦い!・・・俺、戦争って嫌いだよ・・・・って、軍人の言う台詞じゃないな・・・ああ、こんな俺を笑うんなら笑え!!!

0083/11/10 天気、宇宙。

 (この日もキースは日記が書けませんでした。)

0083/11/09 天気、もう、よくわかんねぇ。

 俺は、今日こそもうこんな日記を書くのは止めようかと思った。・・・日記なんて、書いたって何の意味も無い。あったこととか、一生懸命書いていったって、別に過去が変わるわけじゃないんだ。もう、どうにもならないんだ。
 ・・・昨日、あれから、三時過ぎの急な出撃でバニング大尉が死んだ。
 信じられない。カークス少尉やアレン中尉が死んだ時も信じられなかったけど、その時の何倍も信じられない。・・・大尉が死んじゃうなんて。・・・しかも、急にだったんだ・・・だって、大尉のジムは本当に大した事無いように見えたんだ!!なのに急に爆発したんだ!
 ともかく、コウが中尉になって、ベイト中尉が大尉になって、指揮もベイト大尉がとるようになって、ともかくアルビオンは明日観艦式が行われるコンペイ島宙域に向かって船を進めている。俺達は、出撃に次ぐ出撃で、ろくろく悲しんでいる暇も休んでいる暇も無い。・・・だってさ。どこに隠れてたのか知らないけど、ジオンの残党兵ときたら、あとからあとから押し寄せてくるんだ。
 ・・・よく頭が回んねぇ。
 だから、もう、日記を書くのはやめようかな、とか。ああ、コウと話したいな、くだらないこと。戦闘のことじゃ無いやつ。・・・モーラでもいいや。うん。ちょっと仮眠、な、こんな日記もう書く意味が無いよなあ・・・。

0083/11/08 天気、宇宙だよー。

 いっやあ、さっきのコウは面白かった!
 あんまり面白かったから、日記に書いておこう。俺とコウは、午前中バニング大尉の戦闘訓練に出て(ベイト中尉達が哨戒任務にはでていた、)それで、遂に模擬戦でコウのやつがバニング大尉を倒したものだから、俺はなんだか楽しくなっちゃって、それで機嫌がよかった!
 そこで、格納庫にモーラに会いにいったらさ。なんだか、またモンシア中尉がもめているんだ、で、巻き込まれ無いように覗き込んだら、なんだか後ろ手にモンシア中尉が俺に何か手渡すんだ・・・・それが何と!ニナさんの隠し撮り写真コレクションだった!!そっれも、物凄い角度からの、超やらしいヤツ!!!
 俺は思わず、「モンシア中尉、カメラマンになった方がよかったんじゃないですか?」と言いかけたが、どうやらモンシア中尉が手を振っているところを見ると、これを持って逃げろと言う事らしい。・・・ので、俺はもちろん逃げた!そのあと、モンシア中尉がモーラになにをされたかは知らない。あー、考えただけでも恐ろしい。
 で、俺はと言うとそれを持って、速攻でコウの部屋に行った。・・・コウときたら、部屋でニンジンとにらめっこしてやがんの!あー・・・微妙にかわいいのな、そういうのやめろよな、お前!それで、俺はもちろんルンルンと持って来た写真をコウに見せてやった・・・・コウのやつったら、フォーク掴んだまま、すっげぇ赤い顔になってさ!!!・・・だから、コウとニナさんも、どういうつきあいなんだかイマイチ分からないんだよなー。ともかく俺は言ってやった。ニナさんを、とにかくモノにして、押し倒せぇってね!
 ・・・・そしたらあのバカ、頭の線が一本ショートしてしまったらしくて、俺を押し倒しかけた。・・・なんで俺がお前の練習(?)に付き合っ押し倒されなきゃならねーんだっつーの!それくらいなら、俺が押し倒します・・・と、そんな事はどうでもよくて・・・。
 あー、面白かったな!確か、午後も仕事がある。さて、そろそろ行こう・・・。ニナさんの写真より、真っ赤な顔のコウの写真の方がよっぽど女の子に売れると思うんだけど・・・ダメかな!?これで、商売出来ないかな!!??

0083/11/07 天気、だっから宇宙ー。

 今日は、俺とコウ、まとめてバニング大尉の戦闘訓練に参加した。しばらくこれでいくらしい、ウゲー。せっかく、宇宙戦闘に関しては、さんざんベイト中尉やモンシア中尉にしごかれた分俺の方がウマイと思ったのにさ・・・・・・コウのヤツ!
 なんだかんだ言って、結構うまいんだよな!それで、訓練しながら、俺にビシバシ文句ばっか言う。かはー、俺の機体はキャノンだ!お前のはガンダムだろ!用途も目的も動きの早さもちがうってーのー!!!
 ともかく、久しぶりのコウとの戦闘訓練はなんだか妙に楽しかった。前は、コウとこうやって宇宙でモビルスーツ動かす事になるだなんて、考えても見なかったんだけどな。人生、どうなるかわからないもんだ・・・。
 帰って来て、今日は食事を久しぶりにモーラとニナさんとコウと、四人で食べた。なんだか、この四人でいると、本当に楽しい。この先、どんな感じでこの戦いが終るのか想像もつかないけれど、でもこの四人で長く居られたら幸せだろうなあ、って。そんなことを、後でモーラに言ったら、「あんたは・・・コウやニナともいっぺんに結婚したいのかい?」だってさ!えー!!???
 コウやニナとも、っていう以前に、モーラと結婚する事はもう決定か!!??そうなのか、モーラ!!??うわあ・・・女っておそろしい。でも、俺はそんな言い方をするモーラが別に嫌いじゃあなかったので、こういってやった。「うーん・・・・コウともニナさんとも結婚出来るもんなら結婚したいねぇ、俺って甲斐性あるだろ?」・・・・そうしたら、モーラに殴られた。
 いや、殴られるのは痛いんだけど、でも今日も楽しかった。・・・・あんまり楽しいと、あまり書く事無いな。・・・そろそろ、コンペイ島が近づいて、イマージェンシーの出撃が多くなってきた・・・。というわけで、今日はもう寝る!

0083/11/06 天気、宇宙なんで関係ないでーす。

 いやあ、今日はヒドかった!実は、昨日の日記をモーラに読まれてしまったのだ!!・・・え!?なんで、モーラが俺の日記を読めたかって?それはほら、モーラが俺の部屋に来たからで・・・・・ええっと。その辺には、俺は俺で事情ってもんがあるんだよ、つっこむな!
 それでともかく、ひどい目にあった。俺と来たら、モーラがどんなに好きかえんえんモーラに説明しなきゃならなくなったんだ・・・それこそもう、愛を込めて!俺って単純だから、そんなこと言っているうちに、なんだか猛烈に自分がモーラの事を大好きな気がして来た。してきた、っていうか、いや、大好きなんだけどさ。だって、モーラと来たら、ほんっとうにイイ女なんだ。・・・怒っていたのに、最後には面白いくらいの勢いで俺の話を聞きながら笑い出した・・・・ああうん、楽しいのは俺も大好きだ。
 そんな感じになんでのほほんとしていられるかというと、たった一艦になったアルビオンは、10日にコンペイ島で行われる観艦式の警備をする事になった為、そこに向かって船を進めているところだからだ・・・暗礁宙域の探索は、ありゃあ船が足りなくなったのでナシ、ってことになったらしい。
 コウは、やっと宇宙戦の訓練をはじめたばっかなので、バニング大尉にしごかれてタイヘンらしい・・・ふっふっふ、せいぜい苦労したまえ!今までさぼってたんだからな!その間、俺はモーラと仲良くさせてもらうよー。
 ・・・っていうか、相変わらずコウとニナさんもラブラブなんだけどさ。まあいい。世は全て、事もなし。・・・・最終的に上機嫌の俺。

0083/11/05 天気、なに?きっとコウの心は快晴だぜ、くっそ!

 まるっきりバカップルなんだよな、コウとニナさんがさー!!!!!!
 えー、昨日、帰って来たコウに、発破をかけるように映画のチケットを渡してやったのは書いた通りだがそんなもんはまったく必要じゃなくなった・・・なんだか、ニナさんがアルビオンにもう乗らないのなんのってもめてたのがウソみたい・・・・昨日のモビルアーマー騒ぎで、どさくさにまぎれてもう一回アルビオンに乗り込んだニナさんは、荷物もある事だしそのまま乗っていくことに決まったらしい。・・・そーれはともかく!!なんだなんだなんだ、あのいちゃつき様はっっっ!!!
 昨日のモビルアーマー騒動で例の赤いモビルアーマーに乗っていた人は、何故かコウの知っている人だったらしくて、コウはその人を倒さざるを得なかった事でまた沈み込みかけた。・・・が、恋ってずごい。ニナさんと一緒に居られる事の方が、コウには何倍も重要な事だったらしい。いや、引き裂かれそうになったからこそ盛り上がったってやつか。ともかく、中学生もビックリってくらいの恥ずかしい告白をコウはしたらしく(これは、コウのノーマルサスーツでの会話を傍受出来ていたオペレーターのスコットを絞り上げて吐かせた・・・)それでこの二人は見事おつきあい、ってことになったのである。
 ・・・・面白く無いのは俺だ!
 いやあ、彼女居ない歴19年のコウに彼女ができた事は非常に素晴らしい!しかも、俺の目から見ても滅ちゃ美人のイイ女だ!!だーかーら、うらやましいわけではないのだが、何故俺はモーラ!!??俺はモーラで、コウはニナさん!!??・・・・差別じゃ無いか、これって・・・・!!??
 などと、考えている事がモーラにばれると恐ろしい事になるので、考えるのもやめておこう。いや、モーラもイイ女です。・・・ちょっと大きすぎるけど。
 いいんだ、コウなんか、幸せぼけしているところを、足の直ったバニング大尉にめちゃめちゃしごかれちゃえばいいんだ!ガンダムも、フルバーニアンになったことだしな!あっはっはー!!!
 ・・・と、こんな俺は心が狭いとだんだん思えて来たので、もう寝よう・・・コウは確か、今頃待機命令中だ・・・ざまあみろ・・・・うっ、でも本当の事を言うとちょっとさみしい。彼女出来ても、これからも俺と遊んでくれよ?コウ・・・・。

0083/11/04 天気、フォン・ブラウンを出航したのでまた宇宙・・・書き様がないなあ。

 コウは戻って来た。やっぱり、昨日の夕方アルビオンに入った電話が、コウの居場所を教える電話だったらしい。ニナさんは、会いに行ったって話だ。・・・いや。なんで俺が、こんな冷めた日記を書いているかと言うと、実はコウの行方不明事件などどうでもいいと思わせるくらい凄い事件が、今日起こったからなのだった。
 えー、コウは戻ってきて、アナハイムのリバモア工場で、フルバーニアン(これが、ガンダム一号機の換装後の名称だ・・・)のテスト飛行も行った。・・・ここまでは、順調だった。コウったらピカピカに元気で(寝不足だったらしいけど、)俺とモーラはめちゃくちゃ喜んだってなもんだ。
 しかし、その後がまずかった。なんだか、話に寄ると月政府からの要望で、アルビオンは早めにフォン・ブラウンを出航しなきゃならなくなったんだ。・・・それだけじゃない。何があったか知らないが、ニナさんがもうアルビオンには乗らないっていうんだ!!!・・・コウのやつ、何をやった???俺は、気を利かせて、映画のチケット二枚組まで、コウにあげたっていうのに!!ともかく、事情は良くワカラナイがそんなこんなでコウがニナさんの同僚のポーラさんと一悶着おこしかけた時、最大の問題が起こった・・・何故かフォン・ブラウンの別の港から、一年戦争の時のジオンのモビルアーマーが出きて、ガンダムを出せ!って叫んだんだ!!・・・・もうしょうがない。シナプス艦長の判断で、コウは出撃する事になった。
 ・・・・も、めっちゃそいつは強かった。コウときたら、何故かそのモビルアーマーと会話が交わせるらしく(なんで通信周波数を知ってる?)なんだかとにかく叫んでた。・・・だけど、すごいピンチに陥ってさ。・・・それで、俺は凄く恐かったけどコウを助けようと、必死で後からアルビオンを飛び出した。もう、その時の俺ったらすごくかっこよかったはずだ。(っていうか、カッコよかったと少なくともモーラは後で言っていた!)
 ・・・・なんとかコウは大丈夫だったけどさ。それで、最終的にモビルアーマーは倒せたんだけどさ。途中で、なんでかちいさなランチに乗ったニナさんとかが戦場に突っ込んで来たりして、超大変だった。・・・・そんな訳で、俺は今日、とても疲れた。
 あー、そういえば、コウのことばっかり書いているような気のするこの日記だけど、たまには俺自信の驚きの出来事も書いておこう。・・・・実は、俺はモーラと付き合う事にした!!
 何でそうなったかって言うのは、いろいろ秘密だ・・・俺だけの胸の中に秘めておこう。さて、寝よ。

0083/11/03 天気、だから、人工的な天気だからなあ、フォン・ブラウンも・・・

 ・・・・大変な事になった!
 ええと、まず、なにがあったかと言うとだ!昨日!昨日の晩、上陸許可が出たので俺達は、つまりアルビオンのメンバーは、待機命令中のメンバーを除いて順にフォン・ブラウンに降り立ったんだ・・・ええと、モビルスーツパイロットは港じゃやる事が無いのでもちろん全員上陸した。コウも。相変わらず、ガンダム壊したってことでめっちゃ暗かったけど。
 それで、俺達は繁華街のとある店で飲んでいただんだ・・・みんなで。そうしたらだ!!相も変わらずモンシア中尉が、コウを、それも「ガンダムを壊した」ことなんかでからかったから、コウの奴ったらその店を遂に飛び出しちゃったんだ!!・・・・あああああー!
 こう言ってはなんだが、実はコウは酒癖がわりと悪いんだ・・・・飲み過ぎたりすると、悪酔いして、とんでもなく凶暴になる。そんな状態のコウが街に飛び出しちゃったからもう大変・・・なんて俺の考えは、ぜんっぜん甘かった。
 なんと、コウは戻って来なかったんだ、アルビオンに!!!だー、何を考えてるんだ、あいつ!?
 このまままさか、アルビオンに戻って来ない気だろうか。しょうがないので、今日は手の空いているほとんど全ての人間が、コウを探してフォン・ブラウンを彷徨った。・・・バニング大尉とかも。俺も、モーラと一緒に探した。ニナさんは、ガンダムの修理があるからアナハイムの工場から出られない。でも、連絡したらめちゃくちゃ心配していたようだった。・・・ったく、しょうがねぇなコウのやつ!ちょっとからかわれたくらいで船を飛び出して、小学生か、あいつは!!!
 とかいいつつ、俺はもうすっごく心配だ・・・結局、コウは見つからなかった。夜になってから、それらしい電話がアルビオンに入ったらしいけど、まさか『連邦軍の士官が1人迷子です』って、フォン・ブラウンの警察に届け出るわけにもいかないし。なあ・・・・?
 そんなわけで、俺は気がきじゃない。あー、まったく俺ときたらコウのことがこんなに好きとは思わなかった。心配で心配で眠れない。
 と、モーラに言ったら、「それがあんたのいいところだね」と言われた。・・・なんだよ、照れるなあ・・・。ともかくコウ!出て来たらただじゃおかないからなー!!・・・早くでてこーい。怒らないからさぁ・・・・・。うーん、起きていても仕方ないから寝よう。

0083/11/02 天気、フォン・ブラウンも地下都市だからなあ・・・。 

 今日、俺達は月の都市、フォン・ブラウンに着いた。フォン・ブラウンってのは、ほら、なんだ、なんかの博士だか研究者だかの名前をとった街で、月で一番古いんだそうだ。俺は、中学生の頃から歴史はあまり得意じゃなかったんで良くは知らない。とにかく、クレーターの中に穴ぼこを掘って、更に場所を広げて作ったような街が、フォン・ブラウンなんだ。
 ガンダムは、一昨日の戦闘でもちろんぼろぼろだけど、アルビオンもまあ修理しなきゃならない訳だった。それで、この街に来た。もちろん俺達も久々の上陸!やったー!!!!
 ・・・・の、はずなのに、相変わらずコウが暗い。あーあ。アナハイムの工場でガンダムは直せるんだし、せっかく上陸許可が出たんだから、もっと喜べばイイのに!ともかく、これから俺達は上陸する。上陸して、酒でも思いっきり久しぶりに飲むんだ!
 ・・・・が、やっぱりコウは暗い。モーラが心配して、声をかけて来たけど、俺は「昔っからコウは沈むとこうなんだ」としか言い様が無かった。今、この日記は夕方に書いているけど、俺は引きずってでもコウをフォン・ブラウンの街に連れ出すつもりだ。無駄とは思うけど、ちょっと羽を延ばして、気分を変えた方がいいよ!
 あ、下船の許可が放送で入った。俺は、これから街にくり出してくる。・・・コウひきずって。あー、俺って本当に友達思いのいい人間だなー、ところで月の女の人って美人が多いっていうけど本当だろうか。ニナさんを見ている限りは、そんな気がする。やべ、こんなことを書いているとまたモーラに怒られる・・・。
 じゃ、行って来ます!





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