+ 君からの手紙 +





郵袋が届くと、わぁっと人が群がるのは
昔も今も変わらぬ軍の光景である。

故郷の香り、
懐かしい風、
妻や子や親や恋人の筆跡、
暖かくなる心。















親愛なるキース&コウへ

元気でやってるかい?
君たち二人、
同じ基地に配属になるなんて
羨ましいよ。
相変わらずつるんでるんだろうなぁ。

仕事は大変?
上司はどう?
かわいい子はいたかい。
憧れのモビルスーツパイロットになれたんだから
毎日楽しくてしょうがない?(笑)。

僕はといえば
残念ながら初志貫徹とはいかなかったけど
ルナツー方面第二守備艦隊所属の
サラミスの砲撃手として乗員になれた。
今、宇宙に慣れるために
新人だけで訓練中なんだ。
無事、任官されたのに
これじゃ学生気分が抜けないよ。



・・・パイロットテストに落ちちゃって、
退学するつもりだった僕を
真剣に引き止めてくれた君たちがいなかったら
今の僕はないと思う。

あの時、辞めなくてよかった。

「ありがとう。」

面と向かっては言えなかったけど。



もう知ってるかな。
今度、我が連邦軍が
四年ぶりに観艦式を挙行するって。

もうちょっとで訓練を終えて
僕も参加できるみたいなんだ。

スゴイ壮観だろうな。
マゼランやサラミスやコロンブスが
何十隻も宇宙をゆくんだぜ。

モビルスーツに乗りたくて
軍隊に入った僕だけど
やっぱり平和がいいと思う。

観艦式ができるってことは
それだけ地球圏が落ちついたってことだよね。

・・・君たちは活躍の場が無くて残念だろうけど(笑)。



それじゃ、また手紙書くよ。
元気で。
今度はいつ会えるかわからないけど
絶対、会おうな!



君たちの永遠の友より





(追伸)

返事には写真を同封してくれよ。
ちゃんとモビルスーツに乗ってるヤツをね。
じゃないと本当にモビルスーツパイロットになってるって
信じられないからさ(笑)。














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