+ 胸像 +





胸像は語らない。










(・・・今日もガトーは戻って来なんだな。)



計画通りならば、
アナベル・ガトーとガンダム試作2号機を載せたコムサイは
ペール・ギュントとランデブーして茨の園に帰還していなければならなかった。

第一のルートは失敗であったと
エギーユ・デラーズ中将は確信した。

しかし星の屑作戦に失敗は許されない。
第二の帰還ルートも計画に折り込み済みだ。

今頃はアフリカにあるキンバライト基地を目指し
潜行を続けているだろう。



・・・しかし星の屑作戦に失敗は許されない。
最高責任者たるデラーズは、
第三の手も模索する。

宇宙に上がることができなければ
ただ一発しかない核弾頭を地球で使うべきか。

陽動であるなら、派手な方がよい。
ジャブローのような地下基地を狙っても
ダメージは与えられない。

(・・・内部で発射することができれば別だが。)

他の適地といえば・・・・・・・・・うーむ。

やはり、手数が必要だ。

・・・・・・・・・もう一度シーマに接触してみるか。



デラーズが、ガトーをどれほど信頼し大切に思おうとも、
自分だけが背負わねばならないものがあった。



いや、三年前、死地に向かおうとするガトーを引き止めたからこそ、
自分だけが背負わなければならないものがあるのだ。





一縷の希望と

永遠の忠誠を










しかし胸像は、何も語らない・・・・・・・・・。














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