宇宙を蒼く染めるその光を誰もが誇らしげに見つめていた。
我ガ軍ノ命運、コノ一戦ニ有リ
宇宙世紀0083年11月10日12:21、ソロモン海。
その時を待っていた、ドラッツェ、ザクII、リック・ドムII、ガンダム試作2号機サイサリス。
一年戦争の時は、新兵だった者、ベテランの古参兵、カリウス軍曹、アナベル・ガトー少佐。
最後にこの光を見たのは、同じソロモンの海だった。
かつてここはジオンの海だった。だが連邦の手に落ちた。この海を再び我々の手に取り戻すのだ。
・・・この懐旧の海を。
最後にこの光を見たのは、同じソロモンの海だった。
0079年12月24日、迫りくる連邦の第三艦隊を前に、この蒼い信号弾を背に出撃した。
・・・・・・・・・ジオンの命運をかけて。
最後にこの光を見たのは、同じソロモンの海だった。
0079年12月24日21:15、ドズル・ザビ中将、戦死。生命を盾に連邦に立ちはだかった彼の人を残し、我々は撤退した。撤退せねばならなかった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・この一戦に我々は敗れたのだ。
『グラードル、出撃の信号弾はどうした!?』
『しかし、本作戦の成否は、まさに、奇襲にあります。』
『これしきで敵に看破されるようでは、所詮天は私に味方を・・・あろうはずがない!撃てぇ!!』
『了解。』
時は流れ、我々はまたこの光を見る。
発光信号、青3号弾。
【我ガ軍ノ命運、コノ一戦ニ有リ】
やっと・・・やっとだ。三年の苦難の日々がなんだというのだ。
『感謝する・・・後は、行くのみ。』
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ジオンの誇りと絆を抱いてこの海を・・・。
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