0075.11.08.






 ・・・・・・・・・それでも、見上げた宇宙。










建設途上のコロニーを利用しての演習は過酷を極めた。



・・・擦り傷、切り傷、筋肉痛は当たり前。

捻挫、骨折、病院送り。



白兵戦技の向上、実弾使用への慣れ、

演習実施の理由は色々ある。

が、『過酷』な目に合わせること、

それがもっとも大きな理由。

・・・精神力を鍛える、とは、よく言ったもの。



「ちくしょう、シャワーが浴びてぇ。」

「そんなのは、いい。・・・ただ眠りたいぜー。」

「こんな演習、何の役に立つっていうんだよーっ!」

「ばっかやろーーーっ!!!」

知ってる限りの悪態をつきながら、

ゴールを目指す。



背嚢が重い。ブーツが重い。小銃が重い。

チョコレートひとつが、宝物のよう。

・・・チームの誰も、リタイアさせてなるものか。



ミラーの操作ひとつで、夜がやってくる。

闇は人をおびえさす。

・・・ほら、教官が狙ったように、疑心暗鬼で、雰囲気が悪化する。

闇雲に銃を向ける。



わずかな明りを求めて、宇宙を見上げた。



・・・・・・・・・全くの無関心さで、瞬く星。



誰かが笑った。

・・・つられて誰かが、

さらに誰かが、

取りつかれたように、みんなが笑う。



「さぁ、もうひとがんばりしようぜ。」





演習はいつも過酷を極めた。

頑張れたのは、きっと、星と仲間の・・・・・・・・・
















(2001.11.09)











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