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・・・・・・・・・大きくなったらあの星に、手が届くと信じてた頃。
「一面の星は、それは見事だよ。・・・きらめきに圧倒される。
やっぱり地上から見るのは、本当の星じゃない。
汚れた空気のせいで、あの輝きが伝わってこないんだ。」
と、父が言った。
「・・・そんなことないわ。
アナベルが見ようと思えば、それは本当の星になる。
ね、・・・こんなに綺麗な星の光がアナベルの上に降ってるもの。」
と、母が言った。
僕は、といえば、呆けたように、ただ宇宙を見上げるしかなかった。
本物でも偽者でもどっちだってかまわない。
今見てる星だけが、・・・真実。
宇宙に高く輝く、満天の星は、まさに、
憧れ、
だった。
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(2001.10.16)
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