0063.10.13.






・・・・・・・・・大きくなったらあの星に、手が届くと信じてた頃。










「一面の星は、それは見事だよ。・・・きらめきに圧倒される。
やっぱり地上から見るのは、本当の星じゃない。
汚れた空気のせいで、あの輝きが伝わってこないんだ。」

と、父が言った。



「・・・そんなことないわ。
アナベルが見ようと思えば、それは本当の星になる。
ね、・・・こんなに綺麗な星の光がアナベルの上に降ってるもの。」

と、母が言った。



僕は、といえば、呆けたように、ただ宇宙を見上げるしかなかった。



本物でも偽者でもどっちだってかまわない。

今見てる星だけが、・・・真実。





宇宙に高く輝く、満天の星は、まさに、



憧れ、



だった。





















(2001.10.16)











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