0064.10.16.






・・・・・・・・・どんなに大切なものでも、失うことがあると知った。










叱られた悔しさに泣いたことがあったけど、もう叱られない悲しさに泣けることを知った。





抱いた小鳥の暖かさにおびえたことがあったけど、動かない手の冷たさにおびえることを知った。





草原の上で風になびく銀の髪を優雅だと思っていたけど、梳られた銀髪も人形のように優雅だと知った。





丘に続く十字架に祈ったことがあったけど、その下に眠る人にこそ祈るべきだと知った。





花冠も綺麗だったけど、いっぱいの花に囲まれても綺麗だと知った。















黒い棺の中に横たえられた母の姿に



どんなに大切なものでも



失うことがあると知り



泣いた

























(2001.10.19)











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