+ Operation STARDUST -1- +





ガンダム2号機を奪い、

観艦式を襲い、

コロニーを奪い、

地球へ落とす。





「・・・ガトー少佐、この作戦のコード・ネームを決めて頂かないと。」

「そうか、・・・そうだな。」










ガンダム2号機を奪い、

観艦式を襲い、

コロニーを奪い、

地球へ落とす。



・・・それが、すべて。





歯車がひとつ狂えば、この作戦は終りだ。

連邦軍がこのまま再建の道を進めば、
このような機会は、ますます得がたくなる。



戦術核を持つMSが、試作されたことも、
連邦の宇宙艦隊が集結するのも、
移送を開始するコロニーも、まさに千載一遇。



やらねば、
生き延びた意味がない。



あの日、
私の命令のもと、
命を落とした者たちの影を踏み越えて、戦場を後にした。



贖罪はしない。

それは、彼らへの侮辱だ。



・・・そうだな。

いつか私が鬼籍に入る日、
先輩風を吹かさせてやるぞ。





「少佐。決まりましたか?」

「うむ。・・・もう少し考えさせてくれ。」










ガンダム2号機を奪い、

観艦式を襲い、

コロニーを奪い、

地球へ落とす。



・・・それが、できねば。





あのソロモンの海で、示威行動とは、
連邦が好んでやりそうなことだ。

その目論みを必ずや砕こうぞ。



散っていった魂の安らかならんを願って、
手向けの花を贈ってやろう。





そして、
地球に落ちゆくコロニーは、
新しい希望の光を灯してくれるはずだ。



そのために、
新たな命が失われようとも、
未来へ続く道標ができれば、きっといつの日か・・・





(大気圏に突入するコロニーはその衝撃で破片を撒き散らしながら地表へと進み、
破片はひとつひとつが炎となってまるで流星のように夜空を彩るだろう。)



それは、夢だ。

スペースノイドが見つづける、うっとりするほどの、夢だ。

たったそれだけの小さな、でも他に代わりはない、夢だ。





『・・・・・・・・・STARDUST。』

「え?」

「"Operation STARDUST"だ。」

「・・・はい!少佐!!」










ガンダム2号機を奪い、

観艦式を襲い、

コロニーを奪い、

地球へ落とす。



・・・ただ、それだけの、見果てぬ、夢。














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