+ つぶやき。 +
ビーム兵器なんて初めて見たので
ご主人様は少し慌ててしまいました。
・・・でも許してあげてください。
三年もここでモグラのような暮らしを続けてきたのですから。
戦争は兵器を飛躍的に発達させます。
一年戦争の時なんてまさに日進月歩。
どれだけ進化したと思いますか?
そんな世界にあって
三年も地下に潜っていたのでは
ビーム兵器を備えたモビルスーツと対峙することになるなんて
予想もしてなかったのです。
こちらはといえば、
名機ドム・トローペンといっても
所詮三年前の機体ですし、
つぎはぎにザクのパーツが使われてて
おまけに戦闘用ソフトのバージョンアップもないし。
でもご主人様はそんな私をとても大切にしてくれてました。
それだけは胸を張って言えますとも。
・・・だから何とかして
ご主人様には宇宙へ帰って欲しかったのですが。
帰りたい、帰りたいと
誰にも見つからないように
私の中でつぶやいていたご主人様には
何としても宇宙へ帰って欲しかったのです。
もし帰ることになったら
地上戦闘用のモビルスーツである私が
ここに残されたままになるとしても。
でもご主人様はそんな私をとてもとても大切にしてくれてました。
それだけは胸を張って言えますとも。
・・・だってご主人様は私の中で
永遠の眠りにつかれたのですから。
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