+ タイムリミット +





茨の園に着いて
閣下に帰還報告をしたその足で
まっさきに確認した。

「ケリー・レズナー大尉から連絡はあったか?」
と。

「いいえ、まだです。」

その返事を聞いた時、
どれほど落胆したことか。

いや、
君が来ないと思って落胆したのではない。

君は来る。
それはわかっている。
まだ着いていないことに落胆したのだ。
どこかで手間取っているのだろう?

・・・あるいは、
確実なルートを選んだつもりだが、
メッセージが届いてないのか。



ヴァル・ヴァロで飛び立つ君を見て
月の連中は驚くことだろう。

体面上、君を追うだろうが、
なに、そのまま月を襲うのでなければ、
彼らもそこそこで引き上げるさ。



君が姿を現したら
どうやって歓迎しよう。

抱擁かパンチか極上の酒か。



君の片腕の代わりになろう、
というのは、あまりにもおこがまし過ぎる。



ただ君の隣で戦うだけだ。



・・・もう一度。



一緒に。










「・・・出発まであと四日。」

ここを出ても
ソロモン海に着いても
いつまでも君を・・・

(待っている。)














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