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            戦闘記録(13-14,Oct) 
             
             
             
            15:00 ペガサス級強襲揚陸艦アルビオンを確認。 
                 星の屑作戦、発動。 
             
            20:50 ブラウエンジェルの手引により、トリントン基地に潜入。 
             
            21:05 Mk.82核弾頭搭載を確認し、GP02Aを奪取。 
             
            21:10 ザメル、援護射撃開始。 
                 ドム・トローペン二機、トリントン基地に突入、攪乱。 
                 MS-06F2一機,RGM-79C一機撃破。 
                 (K.I.A一名,ゲイリー少尉) 
             
            23:40 コムサイIIの降下予定地点にて待機。 
             
             
             
            00:40 追撃部隊と交戦。RGM-79一機撃破。 
                 (K.I.A一名,アダムスキー少尉) 
             
            00:50 GP01によりコムサイIIが撃破、本ルートでの脱出は不可能となる。 
                 (K.I.A二名,unknown) 
             
            05:30 追撃部隊と交戦。 
             
            05:55 RGM-79四機撃破。 
             
             
             
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 コムサイの撃破は予定外だった。・・・本作戦に欠かすことのできない核弾頭を宇宙(そら)に運べないことは許されないから予備ルートも確保しているが、それでも予定外だった。これであと1週間は地上に滞在することになる。宇宙でこの機体の習熟訓練に充てるはずだった時間が取れなくなった。ユーコンの中でコクピット回りに慣れるしかないだろう。2号機には、解体されたジオニック社から流れた技術が使われており、純粋な連邦製の機体よりは、馴染みがある。・・・が、本作戦に欠かすことのできないこの機体を手足のごとく動かせるほどになりたかったというのが、アナベル・ガトーの心情であった。
 あらためてコクピット内の計器をさっと見渡す。茨の園では、再びゲルググタイプに乗ることもかなわず、リック・ドムIIを愛機としてきたが、それに比べて・・・このゆとりのなさはなんだ?・・・と思う。仕方あるまいか。・・・核攻撃の衝撃にも耐えられる作りがあってこその機体なのだから。
 波の音が聞こえる。ザザー・・・ザザー・・・。地球に降りて初めて聞いた本当の波の音。繰り返し、寄せては返す、波の、やわらかな音色。時代が正しければ、この音を聞きながら、砂浜に寝転がって、ゆっくりと眠り入る・・・そんなこともできたのだろうか。昨夜から一睡もしていない。眠くもない。・・・・・・・・・だがこの音は、ありもしない光景をガトーに見せ、早くここから離れたいとも思う。
 (ユーコンはまだか。)
 さっき撃破したジムの小隊は、別働隊なのだろう。1号機がいなかった。奴らに追いつかれる前に、ユーコンが着くといいが・・・。もし先に現れたなら・・・、
 「・・・うるさい蝿は落としとかんとな。」
 コムサイの二の舞は許されない。今度こそ確実に脱出しなければ。姿を見せたら、必ずや。
 (そういえば・・・、)
 コムサイのパイロットの名前は何と言っただろうか。顔はわかるのに・・・。宇宙に上がったら記録があるだろう。戦死の報告を家族に送らねばなるまい。
 ・・・・・・・・・こんなことも三年ぶりだ、・・・と思う。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・自分はふたたび、戦場に帰ってきたのだ、・・・と思う。
  
    
      
      
      
        
          
             
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            戦闘記録(追記) 
             
             
             
            06:13 追撃部隊と交戦。 
             
            06:20 U-801に合流。脱出に成功。・・・・・・ザメルの貢献度大。 
                 (K.I.A一名,アダムスキー中尉) 
             
             
             
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 ずっと宇宙で戦ってきた。地球の土を踏んだのも、地上でモビルスーツに乗るのも初めてだった。・・・貴重な戦力を5名も失った。
 (自分は、もっと上手く戦えたのではないか?)
 その思いを消すことはできないだろう。・・・・・・・・・だからこそ、明日につなげねば。
 「絶対に、宇宙へ帰る。」
 地上(ここ)に自分の居場所はない。・・・・・・・・・ユーコンに響く波の音が、どんなに甘く優しくとも。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・星の屑は、こうして始まった。
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