0068.10.25.






・・・・・・・・・サヨナラ。










混乱の年だった。



ジオン・ズム・ダイクンが亡くなり、

父の乗ったシャトルが爆発事故にあい、

・・・そのまま、二度と会うことはなかった。



つい昨日、

『行ってくるよ。いい子で待っておいで。』

『・・・やめてよ。』
(もう10歳なんだから、そんな子どもみたいな言い方)

それから、頬にキス、バイバイ。



・・・・・・・・・もっと抱きしめてもらえばよかったのに。










母の時と違い、実感のないまま、施設に行くんだろうと思っていたら、

父の父だという人が現われた。



父と同じような大きな手をしていたけど、

父と同じように手を握ってはくれなかった。





国防軍時代からの生え抜きの軍人、

ザビ家の信頼も厚く、

現在も軍の要職にあるという。



引き取られた先は、お屋敷としか呼べないような広い家。

執事や召使が傅く生活。



一人ぼっちのはずが、まだ家族がいた。

それはとても嬉しい、ことだったのに。





・・・祖父との生活は、その後、一度たりとも抱きしめられずに終わった。





















(2001.10.30)











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