+ Operation STARDUST -2- +
ガンダム2号機を奪い、
観艦式を襲い、
コロニーを奪い、
地球へ落とす。
『これほど、躍る心で地球を見たことがあるだろうか・・・』
アナベル・ガトーは、ノイエ・ジールのコクピットの中で思った。
自分にとって、この作戦には、もうひとつ意味があったのでは、と。
あの連邦のモビルアーマーと戦えるのだということに、
こんなにも心が沸き立つ自分。
私でなければ倒せない、
と奮える意識。
もしかしたら・・・・・・・・・
そう、もしかしたら、
私はただ、全力をこめられる機体と、
全力で戦える相手と、
全力でぶつかれる場を、
求めていたのではないのか。
3年前のあの日から、
心の底でくすぶっていた思いが、やっと昇華されようとしている、と。
ガンダム2号機を奪い、
観艦式を襲い、
コロニーを奪い、
地球へ落とす。
『私は、故あれば寝返るのさ!』
シーマ・ガラハウは、グワデンのブリッジで思った。
この作戦のおかげで、やっと安寧の道が得られそうだと。
誰が好き好んで、海賊を生業にするものか!
そういう風にしか生きられないようにしたのは、おまえらだろ!!
・・・椅子の上にふんぞり返って、命令だけ下す奴ら。
前線にいる者のことなんか、これっぽっちも考えないで。
だが、これでやっとラクをさせてやれる。
私に付いてきてくれた、「かわいい」部下どもにね。
はーっはっはっはっはっ!!!
ガンダム2号機を奪い、
観艦式を襲い、
コロニーを奪い、
地球へ落とす。
『行け、ガトーよ。』
『・・・ガトーよ、意地を通せ。現に、コロニーは有るのだ』
『行け!儂の屍を踏み越えて!!』
『儂を宇宙の晒し者にするのか』
エギーユ・デラーズは、その最後の瞬間まで、
自分がいなくとも、コロニーが地球に落とされることを信じていた。
ギレン・ザビ総帥に、胸を張ってお目通りできると。
『ジーク・ジオン!』
11月12日19時34分、コロニーは落着阻止限界点を突破する。
ガンダム2号機を奪い、
観艦式を襲い、
コロニーを奪い、
地球へ落とす。
『・・・もはや、誰も止められんのだ。』
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