+ デラーズ閣下の秘密日記 +


真面目な話ではないですよ(念のため/笑)。

10月13日 金曜日[晴れ]
ふー。
とうとう連邦標準時で15:00を迎えてしまったようじゃ。
ガトーの奴、地球でうまくやっとるかのう。
ガトーが、茨の園に来て以来、こんなに長い時間、離れているのは、初めてじゃ。
どうもあのモス・グリーンの軍服に身を包んだ、背筋の伸びた身体が側に居ないと、気が引き締まらんわい。
時々、こっそり耳打ちしたりするのも、鼻先でガトーの髪の匂いを嗅ぎたいためじゃと知ったら・・・
いかん、いかん。
ガトーには絶対知られてはならんぞ。
耐え忍ぶ恋も良いしの。

・・・・・・・・・わしも地球に一緒に降りて、デートというものをしてみたかったなぁ。

オーストラリア、夕日の中、見つめ合う二人vv
月明かりの元、寄り添う二人vv。
・・・ああ、夢じゃ。

さて、ガトーは見事、ガンダム2号機を奪い去るかの?

ちょっと寂しいデラーズ。

10月14日 土曜日[雨]
おおお・・・!!!
悲しい知らせがあったのじゃ。
回収用のコムサイで、ガトーが今日には戻るはずじゃったのに・・・

連邦郡め!
離陸しようとしたコムサイをガンダム1号機とやらが撃墜したらしい。
中に乗っておった、ガトーと2号機は無傷で助かったようじゃが。
もちろんガトーのことだから、抜かりはない。
予備計画通りの手筈なら、今頃はユーコン級潜水艦で、アフリカの基地へ向かっておるのぉ。

・・・・・・・・・予定通り、衛星軌道上で回収できておったら、明後日には再会できておった!
この分だと、あと10日は会えないのう。

こうなったら、秘蔵の写真集でも見て楽しもうぞ。
・・・ベッドの下に隠してあるのじゃ。
もちろん、従卒が掃除に来る時は、金庫の中に厳重保管じゃ。

・・・どの写真が良いかな。

寂しいけどちょっと燃えてるデラーズ。

10月15日 日曜日[晴れ]
うむむ・・・
昨日はあんまり眠れなかったぞ。
いや、別に興奮しすぎた訳じゃなくての。
・・・
・・・
・・・・・・・・・
まあ、ちょびっとはあるかもしれんが。

やはり、地球の海の底を往くガトーが心配で。
潜水艦に乗ってるらしいが、どうもわしは好かぬ。
宇宙を駆ける男が海の中をゆっくり進むなぞ・・・
我がジオンが誇るユーコンじゃが、沈んだりせんかの?
・・・潜水艦だから沈んでて、当たり前なのだが。
二度と浮かびあがれぬことは、ないかの?ってことじゃ。
そんなことになったら目も当てられぬ。
心底、スペースノイド魂がわしにも染みついておるのう。
重力の井戸では、何があるかわからぬし。
ふぅ・・・
ガトーが戻るまで、ため息ばかりの毎日になりそうじゃ。

おう、明日は、おの女との会談じゃな。
ガトーには悪いが、これも大儀のため。

心配性のデラーズ。

10月16日 月曜日[くもり]
・・・・・・・・・疲れたわい。

ガトーがいない間に、どうしてもあの女に会っておかねばならなかったのじゃが、『シーマ・ガラハウ』は、なかなかの策謀家じゃの。
『星の屑作戦』には、どうしてもシーマの戦力が必要なのじゃ。
しかし、あの女、いきなり見返りを要求するとは・・・

『ガトー少佐と一日デート券』じゃと???
そんなものがあるなら、わしが欲しいくらいじゃ。

・・・まさかあの女もガトーに惚れておるとは、思いもせなんだ。
あの美丈夫ぶりでは、至極当然かのぅ。

ガトーは、「シーマ中佐は我がデラーズ・フリートには、収まらぬ人となりです」と言っておったが、今までに何ぞされたんかの?

まあ、良い。
シーマはわしが導こう。
同じガトーを愛する者として、通じるところが、きっとあるわい。

・もとい、・・ライバル出現、か。

焦りもあるかもデラーズ。

10月17日 火曜日[雷雨]
・・・
一晩、眠ったら、こう、モヤモヤしてきたのー。

モヤモヤモヤモヤ・・・

そう、ガトーとシーマには、何かあったんじゃろうか?
いや、何もない・・・と思うがのう。

しかし、シーマは男を思うままに扱えそうなとこが、あるし・・・

モヤモヤモヤモヤ・・・

わしは、いつからこんなヤキモチ焼きになったのか。
いかんいかん。

・・・しかし、気になる。
こうなったら、密偵でも送るしかないか。

これというのも、ガトーがわしの思いに気づいてくれんからなんじゃが。
それが、あの男のいいところでもある。
朴念仁というか、純情というか・・・
しかし、死ぬまでに一度は『愛の告白』をされたいのー。

「閣下!私は閣下のことが!!!」
「ガトーよ、みなまで申すな。お前の気持ちはわかっておるぞ。」
「いえ、言わせてください!あ×××てます!!」

・・・ほっ。幸せじゃ(涙)。

・・・夢みるデラーズ。

10月18日 水曜日[晴れ]
おっはー!

今日はとても良い目覚めだったのじゃー。
なんと、夢にガトーが出てきたのじゃ!!!
・・・ガトーの写真を枕の下に置いて眠ったせいかの。

とにかく、その夢がまたすごかった。
白馬に乗ったガトーがわしを、悪徳領主の城から、さらいだしてくれたのじゃよ(感涙)。

髪が風になびいて、騎乗姿のかっこ良いったら、ないのじゃvv

・・・もちろん、わしはピンクのお姫様ドレス姿での。

・・・・・・・・・
仕方なかろう!
夢というのはそういうものじゃ!!!
だから夢なのじゃ!!!!!!

なかなか似合っとったがな・・・(ポッ)。

むむむ・・・こんなことでは、ガトーが帰ってきたとたんに抱きついてしまいそうじゃ。
いかんな。反省。

自制をしないとデラーズ。

10月19日 木曜日[雨]
今日はひさびさにガトーの消息が入ってきたぞ。

ユーコンU-801潜水艦は順調に太平洋をアフリカへ向けて航行中。
とりたてて問題はなし、じゃと。

10/23に衛星軌道上でランデブー予定・・・か。
あと、ひーふーみー、あと4日眠れば、ガトーが宇宙へ帰ってくるvv
待ち遠しい。

長時間通信はできんから、潜水艦の中のガトーの様子まではわからぬが、きっとモテモテなんじゃろうな。
・・・まさか、ヘンなことされてはおらんかの?
まさかの・・・まさか。

いかんいかん、これも愛ゆえの疑心暗鬼というものか。
ガトーよ。ほんとに、罪な男じゃ。

指折り数えて待つデラーズ。

10月20日 金曜日[くもり]
・・・そろそろ、作戦に参加する艦隊が集まり始めておる。
ここ暗礁宙域に、寄せ集めの物資で係留基地『茨の園』を設営してより、早2年半。
それは、苦渋の道じゃった。

ギレン閣下の理想を実現するためには、MSや物資を回させるために、アナハイムの汚いやり方とも妥協せねばならんかった。
だからこそ、わしは・・・
あの『汚れなき清流のような』ガトーに惹かれるのかもしれんの。
わしが泥にまみれても、ガトーにだけは、きれいなままでいて欲しいと。

・・・甘いの、わしも。

たまにはこんなデラーズ。

10月21日 土曜日[雷雨]
わしも、もう歳かかの。

・・・いや、
・・・ナニが。

・・・まだまだ元気ではあるが、
こうなんというか、前と違うというか、どういうか・・・
こほん。

前はガトーで一日一回じゃったのに・・・

気分を変えるといいとは言うが、そんなに簡単に変わるものでもないしのー。
ここで出来ることは・・・と。

寝室の照明をピンクにするとか。
香を立てるとか。

ほお、まるで新婚部屋じゃの(・・・ポッ)。

ガトーが帰ったら、驚かしてみるかのー。

そろそろ待てないデラーズ。

10月22日 日曜日[雪]
シーマは艦隊を率いて25日には、この茨の園に到着するそうじゃ。

あれから、いろいろと調べておったんじゃが、どうやらシーマの熱烈な片思いらしい。
・・・もちろん、ガトーに。

むかし、ジオン軍恒例年末大謝恩会のパーティで、知り合ったらしいのじゃが・・・
『王様げーむ』でキスすることになったのに、頑としてガトーが拒んだそうじゃ。
・・・まあ、それはそれとして、ガトーらしいがのぉ。

どうもそれが、女王様シーマには、許せなかったらしい。
何かとガトーを目の仇にしておったが、いつの間にかそれがラブに変わったというわけじゃの。

・・・プライドの高い女ほど、そういう男に弱いっちゅーパターン。
しかしシーマもあの通りなので、いじめっこが好きな女の子のスカートをめくるような態度しか取れぬのじゃ。

それでは、朴念仁ガトーはいつまでたっても気づかんじゃろうよ。

まあ、ガトーの方が何とも思ってなければ良いのじゃ。

少しホッとしてるデラーズ。

10月23日 月曜日[晴れ]
さて、ガトーの母艦ペール・ギュントから入った連絡によれば、本日無事にガトーが衛星軌道上に脱出。回収に成功とのことじゃ。
連邦軍と一時戦闘状態になったが、サラミスを2隻轟沈。
・・・さすがじゃの。

やっと、宇宙に帰ってきたか。
ここ茨の園に戻るには、しばし時間がかかるが、さして心配することもなかろう。地球の重力圏では、ないのじゃから。

レーザー通信の時間が楽しみじゃ。
『閣下、見事2号機の奪取に成功しました!』
『貴公なら、必ずやてくれると信じていたぞ!!』
『閣下!!(潤んだ瞳)』
『ガトー!!!(興奮)』
だが、二人を阻むスクリーン。
うーん、たまらんわい。

ガトーのことじゃ、地球で、いらぬ苦労をしとらんかの?

面やつれガトー?

・・・ちょっとそそるような。
ま、もうちょっとの辛抱じゃ。

爆発寸前?デラーズ。

10月24日 火曜日[くもり]
ふぉーふぉふぉ。
さっきまで、ガトーと話しておったところじゃ。

受信状態は良くなかったが、ガトーの銀髪も紫の瞳も懐かしかったぞ。

・・・
・・・
・・・ああ、ガトーvv
(思い出してる)

大仕事を終えて、一段と男っぷりが上がったような気がするのは、わしの贔屓目かの?
まだまだ次の作戦が控えておる。
油断大敵じゃが、久々にガトーの声を聞いたのじゃ。
耳が覚えている間に、ちょっと・・・ふぉ。

なんで、あんなに渋い声なんかのー。
若い頃はわしとて、ガトーに負けんくらい、いい声じゃったが、さすがに歳は隠せん。

ガトーに『閣下!』と囁くような声で呼ばれたら、もう・・・
ふぉふぉ。

耳がツボ?かもデラーズ。

10月25日 水曜日[雨]
今日はシーマと正式に協定を結んだ。

『星の屑』作戦のこともあるが・・・
実は、
『星の屑作戦が終るまでは、ガトーに抜け駆け禁止』の協定じゃ。

しょうがない。ガトーを守る為には、わしも我慢せんとのぉ・・・
しかし。油断はならぬ。
あのシーマのこと。
いつ後から、ガトーに襲いかかるか。
ガトーが戻ったら、監視の目をますます厳しくせんとならんのう。

わし?
たしかに、わしとて、いつガトーに襲いかかるか・・・
いや!そんなことは、しないぞ。
しない。
しないだろう。

・・・我慢じゃ。

まだまだ長いぞデラーズ。

10月26日 木曜日[雹]
・・・う。
何だか今日は頭が重くての・・・
軍人たるもの、毎日の筋力トレーニングとカルシウムの錠剤は忘れてないのじゃが。
・・・誰じゃ、歳のせいだと陰口を叩くのは。

まあ、とにかく一日中、ベッドでうつらうつらと過ごしておった。
そういう時は、意味不明の夢を見るものじゃ。

ある時は、白衣の看護婦スタイルのガトーに、熱を測られ、ある時は、エプロン姿のガトーに、りんごすりを食べさせてもらい、ある時は、ハート柄パジャマのガトーに沿い寝をしてもらったのじゃー。

うーむ、こんなに願望がストレートに現われるとは。
・・・夢は恐ろしいのぉ。

いかん、また頭痛がしてきた。
少し休むわい。

・・・今度はどんなガトーが見れるかの???

痛みもなんの!デラーズ。

10月27日 金曜日[くもり]
頭痛は、かなり直ったわい。
だが、ベッドに入るといろんなことを思い出すのう。

わしがガトーに初めて会ったのは、ルウム戦役が終った後の、戦勝パーティの席じゃった。

わしはもちろん、ギレン総帥の側に控えておった。
功績のあったパイロットが一列に並んで、総帥から声をかけられるのを待っておった。
その中に、一際目を引く銀髪の男がおった。

・・・すらりとした、だが内には、しなやかな筋肉を秘めているに違いないと思わせる体つき。
うすく輝く紫水晶のような瞳。
きれいに纏められた光沢のある銀色の髪。

そして何より、見るものを圧倒するような力強い顔つき。

わしは、この時、初めて知ったのじゃ。
人間には、恋に落ちる瞬間が、本当にあるという事を・・・

ああ・・・ガトーvv

オトメなの?デラーズ。

10月28日 土曜日[雨]
長い・・・長いのー。

連邦の目を避けて航行中とはいえ、ほんとうに時間がかかるものじゃ。
ふー・・・。
待ち遠しい日々。

・・・わしがガトーに恋したのは、0079年1月のことじゃった。
が、運命の相手vvとまで思ったのは、その年の秋。ザビ家の親衛隊員に選ばれたガトーと、顔を合わせた時のことじゃ。

マントをひるがえして、ギレン閣下の元に進むガトーの姿は、見るものを圧倒しておった。
総帥の前で緊張した様子も見せず、あの年齢で精神もよく鍛えておるな、と。
そして、ふとガトーが顔を上げたとき、わしと視線があったのじゃ。
そしてにこりと微笑んだ。

・・・・・・・・・気のせいでは、ないぞ!
間違いなくわしの方を見て、笑ったのじゃ!!!
その清々しさといったら。
ほうー。
わしは、ガトーから目が離せなくなった。

話に聞く”サムライ”というものを形にしたら、きっとガトーという男になるのじゃろうのー。

・・・お稚児とやらも捨てがたいが。

勝手に思ってるデラーズ。

10月29日 日曜日[雷雨]
忘れもしない・・・
0079年12月31日。
ア・バオア・クー撤退の日。
二人の運命が定まった日。

そう、あの日、わしとガトーの新たな人生が始まったのじゃ。

生き恥をさらしてまで、生き延びる気はないと言い放ったガトーを説得するために、わしは思わず飛び寄って、その肩を掴んだ。

・・・わしの言葉に悔しそうな表情をして、それでも生きることを選んでくれたガトー。
・・・ああ、ガトーVV

ほんとは、思いっきり抱きしめて引き止めたかったのじゃが、さすがにそれはできんかった。

新たな人生はいまちょうど山場を迎えようとしておる。
墓場に行きつくまでに、一度でいいから、ガトーを結ばれたいの・・・ポッ。

なんだか同情、デラーズ。

10月30日 月曜日[くもり]
あと・・・一日じゃ。
一日待てば、ガトーに会えるのじゃ。

・・・長かったのぉ。

ガトーを思い、一人寂しく眠った日々。
いや、ガトーのことを思いすぎて、一人悶々と眠れなかった日々。
もう、みんな過去のものとなるのじゃ。

やっと、本物のあの男に会えるかと思うと。
ほぉぉ・・・血圧がっ!

・・・それでも、わしは耐えねばならんのか。
ガトーに触れることもならず。
いや、ガトーとて、わしと離れている間に、本当の気持ちに気づいておるかもしれん。
離れて分る恋しさというものも、あるからの。

ああ、ガトーよ。
早く帰ってくるのじゃ。

・・・ウォホン。ちょっと抜いとこうかの。

一触暴発?デラーズ。

10月31日 火曜日[晴れ]
くっ・・・(号泣)。

惜しかった。
絶対、惜しかった。
間違い無く、あと一歩で・・・

ガトーを抱きしめられそうだったのじゃ!!!

・・・気のせいではないぞ。
あとで、隠しビデオの映像を何度も見たからのー。

帰ってきたガトーは、シーマがこの作戦に参加したことが、甚だ不本意なようじゃった。
『必ずやジオンに仇をなす』とな。
そこで、わしは『大儀』を説いたのじゃ。
ガトーは、わしの言葉を目を潤ませて聴いておった。

なんと、純な男じゃvv
感激したガトーが、わしにキスを・・・あ、いや、たぶん、抱きつくか、朝の露のような涙をこぼしそうじゃった。

だがのー!!!
あそこで通信兵さえ、邪魔しなければー。
くうううっっっ!!!

いや、きっとこれなら、ガトーが堕ちる日も近いわい。

そうなのか?デラーズ。

11月1日 水曜日[晴れ]
ふふふ・・・

ガトーが側におると、やっぱりよいのう。
どうにも寝つけなかったわしは、ベッドの上からガトーを呼び寄せたのじゃ。
もちろん『ガンダム2号機奪取作戦』の功をねぎらって一杯、ということでな。

ラクな格好で良いぞ、と伝えておいたが、いつもの軍服にマントがないだけの姿じゃった。

・・・パジャマが見たかったのにのぉ。

ガトーは、けっこう酒が強いのじゃが、わしの勧める杯を断れぬ内に、酒量を超えてしまうことがある。

そういう時のガトーは、実に色っぽくてのぉ。
そのまま押し倒してしまいたい位で・・・

わしもここぞとばかり酔ったフリをするのじゃー。
・・・するとのーガトーがわしの身体を支えてベッドまで運んでくれての。

もちろん、肩を支える程度じゃが、そのままガトーの首に抱きつきたい衝動を抑えるのが大変じゃった。

ああ、辛抱たまらんのう。
片恋の苦しさに身を焼かれるようじゃ(泣)。

押さえ込めば勝つぞ、デラーズ。

11月2日 木曜日[くもり]
はふーーー。

なんでも、シーマの女狐が暴れ回って、サラミスを2隻も落としたそうじゃ。
ガンダム1号機とやらも大破させたらしい。

ほんの手土産と、言っておったが、わしにはわかっておる!

これは挑戦じゃ!
わしにガトーは渡さんぞという挑戦なのじゃ!!
・・・そうに決まっておる!!!

シーマめ。
『一日デート券』はいつ使うつもりかのー。
シーマのことだから、その気になったら、速攻じゃろうのー。

わしは上官として、「シーマの命令を全て聞くように」とガトーに言わねばならんのか。
・・・ああ、悔しいぞ。

わしも堂々とデートしたいわい。

・・・ええぃ。今日はふて寝じゃ。

おこちゃま、デラーズ。

11月3日 金曜日[雨]
はあぁぁぁ・・・

うーむ、気になるの〜
新たなライバル出現か。

いや、ガトーが時折、遠くを見てるようなので、これはわしを意識しとるんかのーと思うての。
「何か気にかかることがあるのか。ガトーよ。」
と、聞いてみたのじゃ。
これでガトーが赤くなれば間違いないぞと・・・

じゃが、ガトーは、
「は、閣下に心配をおかけして申し訳ございません。
・・・実は、私の戦友が未だ茨の園に到着しておりませんで、その来し方行く末が、憂慮されて・・・」

おおお、ガトーよ。
それは、一体どんな男なのじゃ?
おまえにそこまで言わせるとは。
わしより、ハンサムじゃったか?
戦友、ということは、わしより若いんじゃろうのぅ。

ああ、あと10年若かったら、この胸を焼くような情熱の赴くままvv

それは止めてね、デラーズ。

11月4日 土曜日[くもり]
・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

どうすればいいんじゃーーー!

明日、ガトーがソロモン海へ向けて出航する。
ということは、夜這いは今日が最後のチャンスかもしれんのー。

夜這い(悶々)。
夜這い(悶々々)。
夜這い(悶々々々)。

・・・いかん、勃ってきたvv

シーマとの協定なぞ、如何!
・・・いや、約束は約束じゃし。

男子の本懐を遂げるのも、一興。
耐え忍ぶのも、また一興。

あーーー悩むわい。

早く鎮まれデラーズ。

11月5日 日曜日[雷雨]
おおおーーー!!!

見たぞ、ガトーの寝姿をvv
わしは意を決して真夜中過ぎに、ガトーの部屋を訪れたのじゃ。
ドアが開く音に、ガトーはすぐに飛び起きたが、シーツの下から這い出た身体は、白いアンダーシャツに包まれておった。

・・・眩しかったわい。
パジャマ姿も見たかったが、やはりすぐ軍服に着替えられるように、なんじゃろう。

「閣下、どうかなされましたか?」
と、顔にかかった銀色の髪をかきあげながら、立ちあがった。
パンツとふくらみは、シャツの長いすそに隠れて見えなかったのじゃー。
すそからまっすぐに太ももがのぞいて・・・
ノーパンかと!!!
ぐふっ。
わしはその場で卒倒しそうじゃった。

言葉に詰まったわしは、
「いや・・・苦労をかけたな。」
と言ってしもうたら、
「・・・閣下。」
と目をウルウルさせてのぅ。

・・・だがの、二人は結ばれんかったわい。
動けなかったのじゃ。
今、手折るには、あまりに尊い気がしての。

・・・いいんじゃ、これで。
目に焼き付けた寝姿で、しばらくは抜けるしのv

ほんとは後悔?デラーズ。

11月6日 月曜日[くもり]
なんだかの・・・
ちょっと痛いわ。

・・・いや、ナニが。

わしもヘンな男よのー。
ガトーがそばにおらんと、思い出しながらつい、ヤリすぎてしまってのう。
・・・まだまだわしも若いと喜べばよいのか。
とほほ。

どうやら、遠くにありて思う方が燃えるんじゃろうか。

・・・

・・・

そんなのいやじゃー!!!

決めたぞ。
星の屑作戦が終ったら、ガトーを休暇旅行に、誘ってみよう。
ガトーは断れぬはずじゃ。
南国風のリゾートコロニーで、年頃の男が二人。

・・・なんにもない方がおかしいわい!
今から、くらっとくる水着でも選んでおこうかの。

ないと思うぞ、デラーズ。

11月7日 火曜日[雨]
いよいよじゃ。

予定では、ガトーがソロモン海に着いた頃。
ふー。
あの男のことだ。
きっと、あれこれ思いを馳せておるんじゃろうのー。

・・・もしわしが死んだら、わしのことも思い出してくれるんじゃろうか。

・・・わしゃ、そんなんいやじゃー!!!
生きとる内に、忘れようとしても、感覚が甦って困るような、そういうことをしときたいわい。

一人ベッドでわしのナニを思い出して、悶々と眠れぬガトーvv
うぉ。いいのー!

・・・やっぱり上が下か悩むところじゃの。

他の事を悩めよ、デラーズ。

11月8日 曜日[くもり]
うーむ。

ちと、シーマの動きも心配じゃの。
『シーマはわしが導く』とは言ったものの、秘密協定のことは、ガトーに内緒じゃしのー。

それにしても、あの女、調べさせてみれば、出るわ出るわ。
ガトーに対してセクハラの数々。

ダンスの強要にカラオケでデュエットだとー?
・・・わしだって、したことないのに!!!(泣)。

・・・・・・・・・
こほん、それはともかく、
普通なら、ここまでされれば、シーマが自分に気があると気づきそうなものじゃが、ガトーはただ単にイヤガラセをされていると思う込んどったらしい。

・・・そう思うと、シーマに同情せんでもないが。
どう切り出そうかのー。
『一日デート券』のこと。

これも大儀、いつかわかる日がくると言えば、何とかなるかの?

ふぅー。
もう少し、男女、もとい男男の機微にうとくなければのぉ・・・

でも譲らない、デラーズ。

11月9日 木曜日[くもり]
・・・明日には『茨の園』を出る。

わしが暗礁宙域に係留基地として設置して、3年が過ぎた。
長かったような・・・それでいて、あっという間だったような。

わしについて来てくれた兵どもにも、つらい思いをさせたのー。

この作戦が終って、再びここに帰ってこられるじゃろうか・・・
激戦になるのは、目に見えておる。
わしとて命の保証はない。

・・・ガトーは?
・・・ガトーのことじゃ。
3年前の無念を晴らすためにも、敵の中に飛び込んでいくじゃろう。

あの男の魂はいつも穢れなし。

もしも・・・、

もしもの時は、天国で結婚式じゃvv

花嫁はわしか、デラーズ。

11月10日 金曜日[晴れ]
ガトーよ!わしも帰るぞ!!!

・・・待っててねvv

と、かわいく言ってみたが、・・・恥ずかしいのー。

星の屑第一段階は見事成功との報告があった。
・・・まあ、成功するのはわかっとったがの。
じゃが、ガトーの乗ったガンダム2号機は討ち死にしたそうじゃ。
むむむ、ガトーと相撃ちとは、連邦にもなかなかの奴がおるわい。

シーマもコロニージャックに成功したというし、作戦の頂点まで、あとわずかじゃ。
時間は貴重というが、今それをもっとも感じておる。

・・・再会の暁には、今度こそ感激のあまり、抱きしめてくれるかの?
それが一番心配じゃ。ふー。

期待しすぎ?デラーズ。

11月11日 土曜日[晴れ]
・・・ほっ。

やっとシーマの艦隊と合流したわ。
これで、抜けがけの心配もなくなったの。
あとは、コロニーを運ぶだけじゃ。

ガトーもアクシズ艦隊から最新鋭のモビルアーマーを受領して上機嫌なようじゃった。
スクリーンの向こうのガトーは、大きな仕事をひとつ成し遂げた誇りに、ますます輝いておったわい。

残った時間は少ないが、明日あたり、打ち合わせに一度呼んでもいいのぉ。
予定通りならば、少しは余裕があるじゃろう。

なんだかの・・・ここで告白しといた方がいいような気もするのじゃ。
そうでないともう二度とチャンスがないような。
・・・わしもナーバスになっておるのかのー。ふー。

おや、わき腹がむずがゆいな。
マッサージでもして休むかの。

明日こそ?デラーズ。

11月12日 日曜日[台風]
ふわふわふわ。
・・・ん?

ふわふわふわ。
・・・んんん??

ふわふわふわふわ。
・・・なんだかのー。
身体か軽いわい。・・・あああーーーっ!!!

思い出したぞ!
わしは、シーマに撃たれたんじゃ!!

あの女狐め。
まさかガトーを独占するために、わしを亡き者するとは・・・

哀れ、志を持たぬ者と協定を結んだわしが愚かじゃった。

・・・はっ?!
ということは、今頃ガトーとシーマは???
・・・成仏できんぞい。

ガトー・・・ガトー・・・
ガトー!!!おや?
あれに見えるはガトーか?

おおお!便利なものじゃ。
どうやら身体が軽いと思ったら、宙に浮かんでおった。
しかも、好きに飛べるぞ。

おお、ノイエ・ジールのコクピットかいの。
もうちょっと近寄って・・・

ぐふっ!ガトーの膝の上じゃ。
気持ちよいのvv

じゃあ・・・(ぺたり)。
ぐふふ!
触り放題か?!

なんじゃ、これならわしも屍になった甲斐があるというもの。

・・・次はナニをしようかの。

ほんとにいいのか!デラーズ。

11月13日 月曜日[不明]
ぬおおおおおお!!!

ガトーが・・・ガトーが死んでしまいおった。
こんな悲しいことがあろうか。
わしの志を継げる者はガトーだけなのに・・・
おまえだけは、苦しいながらも天寿をまっとうして欲しかった。

・・・

・・・

・・・・・・が!

そのガトーがわしのまえに現われたのじゃ!!!
そう、ガトーも天国へやってきたんじゃのー。

・・・ということは?!
天がわしらに結ばれろと言っておるに違いない。
これでわしも憧れの花嫁に。
・・・今晩にはガトーのものじゃ(ポッ)。

『・・・そうは、問屋がおろさないよ!』
『シーマ!貴校もか!!だが、わしの目の黒いうちは・・・むむ?!』
『残念だね。目は白くなってるさ。
はーっはっはっ!!
あたしは、一日デート券を握り締めたまま、逝ったんだ!』

『二人とも、いいかげんにしろ!』
『・・・誰じゃ?』
『ケリィ・レズナー元大尉だ!』
『・・・・・・誰じゃ?』
『(がくっ)。
・・・俺はガトーの親友だぞ!
裸だって見てるんだ!!
今こそガトーを俺のものにするぞー!!!』
『むむむ、大尉の癖にその口の訊き方はなんじゃ!』
『もう天国なんだぜ。中将の威光も関係ないのさ。』

・・・やむをえん、こうなったらガトー自身に決めてもらおう!


『・・・というわけで、ガトー』
『・・・・・・・・・はぁ(困惑中)』
『わしら三人のうち、誰と結婚したいか正直に選んでくれ!』

・・・じわじわ(わしじゃ)

・・・どきどき(あたしに決まってる)

・・・うずうず(俺だよな)

『・・・あの・・・天国に来てから自分の身体をよく見ましたか?』

・・・否。

『・・・でしょうね。ふー。
実は・・・もう、性別がないのです。・・・つまり、結婚しても、その・・・何が・・・(ちょっとポッ)。』

がびーん( ̄□ ̄;)!!!
×3人。

・・・・・・・・・
というわけで、4人は兄弟姉妹のように、喧嘩しながらも仲良く暮らしました。

おしまい(・・・)。・・・てっ!!!
ここで、終ってどうするのじゃ!!!
あきらめんぞーなんの為に後処女のまんま逝ったのじゃ!!!

あきらめんぞー<んぞー<んぞー(エコー)。

永遠のオトメ、デラーズvv

+ apedoard+ by 2apes 
skindesign by enishi 




まとめて読むと、閣下の気持ちが胸に響きませんか?(・・・笑)。



戻る











Copyright (C) 2000 Gatolove all rights reserved.