愛撫
彼の手が僕に触れている・・・
あの硬い操縦桿を握り、宙を駆けるMSを追い、打ち落とす手が、どうしてこんなに優しいのだろう。
彼の顔が僕に近づく。
手入れのいきとどいた薄いブロンドの髪が僕の頬に当たる。
時には冷たい印象を与えるほどの細く柔らかな髪がくすぐったい。
彼の瞳はブルーだ。地球の青と混同しそうで、なんだか目眩がする。
僕の唇に重ねられた彼の唇。
そっと触れる、甘いと思う。でもそれはほんの一瞬で、すぐに僕を食い尽くしそうな生き物へと変わる。
彼の舌が僕の口中を動き回る。
舌って味を感じるためだけにあるんじゃないんだなぁって今更のように思う。
キスって唇を合わすだけじゃなかったんだ・・・
彼の歯が耳に噛みつく。
耳も感じるんだ。なんだか不思議。
僕の指を、瞼を、喉を、乳首を、臍を、爪先を、太股を、彼の指と唇と舌が這い回って僕を翻弄する。
身体が熱くて、息苦しくなるけど、僕は必死でそれを受け止める。
なのに彼はその舌で僕の後門すら犯す。
人間がそんなことできるなんて考えたこともなかった。だってさ・・・
けれど彼は僕のために僕が痛くないように、優しく唾液を沁み込ませる。
・・・そして僕は待ち望む。あの熱い塊をそこに迎えたいと。
「カミーユ・・・」
彼が僕の名前を呼ぶ。
その声にすら、僕の心臓は跳ね上がる。信じられない。クスッ。
彼の汗ばんだ身体が僕に覆い被さる。
人間の身体がこんな風にピタリと重ね合えることを僕は知らなかった。
互いの体温が混ざり合い、脈打つ音がシンクロして、口からこぼれる声が僕のものか彼の声なのか、わからなくなる。
このままもう果ててしまいそうだと思う。でも彼はそれを許さない。
分かり過ぎるくらい分かっている彼は、ようやくあの塊を、杭を、剣を、僕の中に刺し込むのだ。
いつもは軟らかいソレが硬くなり重力に逆らって上を向いた時には別の意味を持っているのだと初めて知ったのは、何年前のことだろう。
それに僕が知っていたことは、まだまだコドモの遊びに過ぎない。
だって、こんな風にコレが動くなんて僕はほんとに知らなかったんだ。
お腹の上で彼の身体が規則的なリズムを取っている。その度に繋がっている部分から不思議な振動が伝わる。
その振動は中心から指先へ抜けていく。僕は何かを掴まずにはいられなくて、彼の背中に手を回す。
リズムはだんだんと激しくなる。打ち込まれるたびに僕は小さな叫びを上げる。
閉じていた目を開けると、間近に迫った彼の顔があまりにも美し過ぎて僕は堪らなくなる。
口元から苦しそうな叫びを漏らしている彼。
苦しそう?・・・いや、苦しい声というより、獣があげる叫びに近い声かもしれない。
そして僕はとうとう身体の中で爆発しそうなものを感じる。
それは彼・・・それとも僕?
僕は僕にこんな感情があったことを初めて知る。
これが人を人足らしめているもの?
これは彼から与えられたもの?
それとも奪ったもの?
彼の身体がわずかに動きを止める。
僕は身体の中に生命の熱いほとばしりを感じ、一瞬の宇宙を垣間見るのだ。
・・・彼の腕が僕の首に回される。僕は安心してすがりつくように顔を寄せる。
さっきまでの激しさは一体どこへ消えたのだろう。
僕をあんなに高ぶらせた彼の指がゆっくりと髪を撫でる。
けれど僕は今度は静かに目を閉じ、心が痛くなるほどの優しい触感を、安息の台にした。
+ END +
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ちょっと最近調子が悪いです〜
なので無理やり書けるかなっと思ってチャレンジ(笑)
もっと長編が書きたいよう(シクシクシク)
私はクワトロファンとしてこういう話を書いてるんですが、クワトロの側からは、書きにくいんですよね〜
好きな人の心理はやっぱりわからないんです(現実世界と一緒さ/爆笑)
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