年下の男の子
 エギーユ・デラーズ、独身。ここ、茨の園で女っ気のない生活を初めて何年になるだろう。もちろん配下の部下達も同様である。ただ、彼は部下たちがときどきは感じるほどの、寂しい思いは持っていなかった。
そう、彼は女より男の方が好きだったからである。
 そんな彼にとって嬉しい知らせが舞い込んだ。
不覚にも茨の園に連れてくることが出来なかったガトー大尉がようやく復帰するというのだ。
 1年ぶり・・・いや、もっとになるかのう。不覚にもグラナダで分かれて以来・・・きっと今もいい男にちがいない。
 「ふぉっふぉっふぉっ」
 「閣下、どうされました?」
 「いや、なんでもないぞ」
 思わず、笑いがこぼれたらしい。側仕えの兵に怪しまれる。
 いかん、いかん、気をつけねば・・・
 デラーズの脳裏にア・バオア・クーの風景がよみがえる。
 そうだ、あの頃から目を付けておったのじゃ。あの逞しい体つき、にらみ据えるような生意気な目つき。ときおり見せる物憂げな顔。
・・・そのどれもが儂の心を捕らえて離さんかった。
絶対ものにしてやろうと思うとったに・・・だが、復帰が決まった以上チャンスはたくさんあるのぉ。
 ・・・それに奴なら儂の方が下でもよいわ
 「ふぇっふぇっふぇっ」
 「・・・・・・・・・あの、閣下?」
 「う、コホン。何でもないのじゃ。儂はちょっと休ませてもらおう」
 「それでは、閣下。私も」
 デラーズ直属のハンサムな兵が言う。
 「いや、よいぞ。今日は1人で眠りたいのじゃ」
 「はっ!」
 ガトーに会うまで体力を残しとかんと・・・な
 どうやら、ここでデラーズの毒牙にかかった兵は少なくないらしい・・・・・・・・・
 アナベル・ガトーの行く末や如何に?
 続く――――――――――――――――――――(のか?)
+ END +
あなたが、寝てる間に
 ケリィ・レズナーの日記
 今日、ガトーに彼女を紹介された。"ニナ・パープルトン"と名乗った女はきれいな金髪に青い目をした、まあ、かわいい・・・女性だった。(俺だって金髪だぞ!)
 奴は俺を親友だ、と紹介した。親友・・・か。確かにそうなのだろう。俺の戦争はガトーと共にあった。エースパイロットとしての栄光の日々・・・誇りと自信が俺を輝かせていた。ガトーも・・・
 だが、このフォン・ブラウンについてからの日々は・・・左腕を失ったア・バオア・クーの戦い、屈辱の脱出口行、それらが忘れられず、酒浸りになってしまった。
 ガトーが俺を支えてくれなかったら、こうしてまがりなりにもジャンク屋として生きていくことさえ出来なかったろう。
 なのに、なのに、俺は、そんなガトーに・・・・・・・・・・
 俺を上回る技量を持ったパイロット、さすがの俺も奴には脱帽だった。俺の命を預けられる唯一の男だと認めていた。そんな気持ちが知らないうちに変化したのだろうか。
 ああ、ガトー、俺はお前を抱きたいんだ!!
 お前が俺の腕の中で悶える姿をみたい!
 女を抱くみたいに、俺のモノを入れて悦ばせたい・・・
 まだあの女と一緒にいるのだろうか
 あの女ともう寝たんだろうか・・・くそッ!
 俺がお前を欲しいといったら、なんと答えるのか。
 もう俺と会ってくれなくなるのだろうか。
 それとも、親友だというのなら、少しは考えてくれるのだろうか・・・・・・わからない。
 だが、俺がお前を汚すことなんか決してできないだろう、悲しいがそれが現実だ。
 ・・・・・・・・・・ニナ・パープルトンか
 なんとかして別れさせよう!!・・・と。
 なんだか、眠くなってきた・・・・・・
 もう、寝よう・・・・・・・・・・おやすみ アナベル
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・夢に出てこいよ・・・・・・・・・・
+ END +
すてきな片思い
 ―――――いつごろから、あの人の側にいることが、こんなに息苦しくなったのだろう
 カリウスは一人自室で、そんな思いに捕らわれていた。
 自室といっても、ここは戦艦ドロワの中。狭ッ苦しい四人部屋だが、半舷休息の時間をずらしてあるため、同室の男たちは勤務中で、彼は遠慮なく自分の心に問いかける事が出来るのだった。
 ベッドに横になり、302哨戒中隊に配属された時の事を考えてみた。憧れのガトー大尉の元で戦えることを、ただ誇らしく思ったことを覚えている。
 初めて連邦軍のモビルスーツを撃破したときは酒保でビールを奢ってもらった。同じ中隊にいても、憧れの人であるが故に近寄りがたかったけど、この時初めて大尉の側まで行って酒を飲んだな・・・
 そうだ!そのあと変に自信を持ったせいか、敵にザクを撃破されてしまったんだ。脱出装置がうまく働かなくて、もう駄目だと思った時、大尉がわざわざ助けにきてくれた。そして、母艦に帰るのに、残骸があまりに多くて狭いコックピットに大尉と一緒に乗った・・・
 あの時なぜか、急に心臓の鼓動が速くなり、そして・・・・・・
 ドロワに帰り着くまで、動悸のしっぱなしだった。ようやくコックピットから出た時、どれほどほっとしたか。
 大尉に抱えられたときの事が頭を過ぎる。カリウスは自分の身体が思わぬ反応を示しているのに気付いた。
 「え・・・?」
 彼は自分が信じられなかった。間違いなく、彼のモノが下着を持ち上げている。
 「俺は、大尉のことを・・・」思わず口に出してしまった言葉に、彼は捕らわれてしまった。
 「まさか、そんな・・・」
 「そりゃあ、大尉は格好いいけど」
 「昨日だって、女の裸で一回抜いたのに、まさかな」
 自然と、シャワー室で大尉と一緒になった時の事が頭に浮かんだ。
 ・・・・・・がっしりとした骨組み、引き締まった無駄のない筋肉、綺麗な銀髪・・・いつも丁寧に洗ってたな。
そして、体毛は以外と薄くて、その下には・・・
 「えぇッ?」それを思い出した途端に、さっきよりもっと堅さを増した自分のモノに、もうどうしたらいいのか判らなくなってしまった。
 「俺に、そんな気が・・・あった・・・なんて」
他に考えようがなくなって、彼はただ右手をそっと下着の下に伸ばした。
 「大尉・・・ガトー大尉・・・、あ・・・」
 手の動きがだんだんと速くなっていく。
 「はぁ、はぁ・・・ああッ!!ううッ!!!」
 その瞬間、シャワー室で垣間見た大尉の逞しいモノが自分の身体の中で蠢く様を間違いなく想像していた・・・
 今までで一番速く、達ってしまった自分に
 「寝よう、寝てしまおう」
 そう言って横になるしかなかった。
 もう大尉の側に居てはいけないんだ…そう考えながら、カリウスはつかの間の休息に浸っていた。
+ END +
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わー、すみません、すみません。最初に謝っておきます。
ガトー少佐ごめんなさい〜
ただ茨の園には全然女っ気がないなーと思ってたら、こんな話を思いついてしまったんです。
タイトルは超テキトーにつけました。
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